クロスバイク、マウンテンバイク等に多く採用されているブレーキシステムがVブレーキです。
初心者の方の中には、一般自転車からクロスバイク等に乗り換えした時に、自転車にもよりますが「ガツン!」と効くその制動力に驚かれる方もいると思います。
Vブレーキは制動力が一般自転車より高くなる分、ブレーキシューの消耗も早くなります。
すり減ったままのVブレーキシューを使っていますとブレーキをかけても止まりにくく「ス~ッ!」と滑るような感じで制動距離が長くなってしまい危険です。
そのため安全のためにも定期的にVブレーキシューの交換をおすすめしています。
今回は、初心者の方にもわかりやすくプロ目線で「Vブレーキシュー交換方法」を説明します。
左から、ワコーズBC-9ブレーキ&パーツクリーナー(速乾タイプ)、シマノVブレーキシュー、六角レンチ、使い古しのタオル
Vブレーキシューを交換する前の作業として、Vブレーキアーチ本体のリードパイプと言われる手で持っている箇所の本体に引っ掛けてある部分から外します。
リードパイプをブレーキ本体から取り外しブレーキケーブルをVブレーキアーチ本体から解除します。
これで先ずは準備完了です。
古いVブレーキシューを六角レンチ工具を使用して取り外します。
この時、Vブレーキのテンション調整棒が邪魔でしたらこのようにアーチ本体の引っ掛けフック部から取り外すと作業しやすいと思います。
取り外した使用済のVブレーキシュー
準備した、使い古しのタオルにワコーズBC-9を噴射して、Vブレーキシューを取り付ける前の準備としてリムサイドの汚れ等を落としておきます。
そのまま、Vブレーキシューだけを新品に交換しても、ブレーキの当たるリムサイドが汚れていたままでは、制動力にも影響が出てきますので、この作業は必ず忘れないようにしてください。
まんべんなくリムサイドの汚れを速乾性スプレーですので素早く拭き取っていきます。
この汚れ落しと脱脂作業を、するとしないのでは大違いです!
この作業についての詳しい内容は,こちらのコスナブログ記事を参照してください。
新しVブレーキシューを取り付ける前に、スペーサーの厚みや向きも間違えないように注意してください。
分かりずらい時は、外した使用済のVブレーキシューのスペーサー等の厚みの位置を参考にするといいと思います。
ワンポイントアドバイス
スマホのカメラを利用して画像保存しながら作業すれば、部品の位置などど忘れしても安心ですよ!
新しVブレーキシューをスペーサーの厚みや向きに気を付けて取付します。
ブレーキシュー取付後は、必ずブレーキテンション用の棒を元の位置ブレーキ本体の取付フック部にかけてください。忘れないように。
ワンポインアドバイス
Vブレーキシュー本体がリムサイドの上部より数ミリ下にして取り付けます。
更に、Vブレーキシュー取付角度を進行方向に対して両方のブレーキシューを取り付けた時に、少しだけ八の字になるように後部を開いた感じにして取り付けてください。
これにより、ブレーキをかけた時に「キィ~ッ!」と音鳴りするのを防いでくれます。
※シマノ製のブレーキシュー以外の場合は、ブレーキゴム質に硬さの違い等により取付角度を変える場合もありますので、ご自分で取付交換する時は、取付後の試乗で音鳴りを確認しながら作業をしてください。
Vブレーキワイヤーケーブルを元に戻して取り付ける前に、ブレーキレバー本体のブレーキアジャスターネジを使用していた場合は初期設定時に戻すのをお忘れなく。
このように、アジャスターネジ部をしっかり奥まで締めておいてください。
Vブレーキのリードパイプを留め具にしっかり挟みこんでください。
ブレーキケーブルが金具にきちんと止まったかを確認します。
ブレーキレバーを何度か握り、ケーブルの引きしろを確認します。
Vブレーキシューの左右のクリアランスバランス調整は、ブレーキアーチ本体横のネジで調整します。
時計方向に回すとブレーキアーチテンションが高くなりリムとのクリアランスが開きます。
逆に反時計方向に回すとブレーキアーチテンションは低くなりクリアランスは狭くなります。
この場合は、プラスドライバーで行うタイプですが、モデルによっては細い六角レンチのタイプもあります。
これで、Vブレーキシュー交換の終了です。
Vブレーキシューの制動力の安定のためにも、リムサイドの黒ずみ等の汚れは早めに拭き取っておいてください。
それと、もしブレーキシューに金属片等が挟まりリムサイドを傷つけていて「ガリガリ」音がする時は、直ぐにブレーキシューの挟まっている金属片を取り除いてください。
そのまま使用していますとリムをどんどん削ってしまい大変危険です。
こちらのコスナブログ記事を参照してください。