日常の移動手段として欠かせない自転車ですが、適切なメンテナンスを行わないと快適な走行が難しくなります。その中でも「チェーン」は、自転車の走行性能を維持するために重要なパーツの一つです。
この記事では、シティサイクルやママチャリのチェーン交換の目安やサイン、交換方法について詳しく解説します。
チェーンはベルトドライブをのぞき、消耗品としていつかは交換時期がやってきます。
チェーンが交換になる場合は主に、チェーンの摩耗、サビて動かない、の2点がほとんどの理由です。
また、以下のような要素によってチェーン寿命が短くなることもあります。
したがって、定期的なチェックと適切なケアがチェーンの寿命を延ばすポイントとなります。
ただし、多少の摩耗や若干の動きの悪さでは交換までいかないこともあります。
なので交換の目安を覚えましょう。
次のような症状が見られたら、チェーン交換を検討しましょう。
シングル、内装3段の車両でチェーンがたびたび外れる場合は、チェーンのリンクが摩耗して伸びチェーン張りがかなりゆるくなっていることが疑われます。
チェーン引きで調整して直る場合もありますが、摩耗がひどいとチェーン引きの限界を超えてしまうため交換となります。
また、チェーン引きで調整可能であってもサビがあまりにひどい場合は交換となることもあります。
「ギシギシ」「カチャカチャ」といった異音が発生する場合、上記と同じようにチェーンが摩耗していたり、潤滑不足の可能性があります。異音が続く場合は交換を検討しましょう。
チェーンが摩耗していてチェーンがチェーンケースの内側に当たっている場合は「カチャカチャ」と異音が発生しやすいです。
摩耗したチェーンでは張りがゆるいためペダルを漕いでも正確な推進力の伝達能力が落ち、スプロケット(後輪のギア)との噛み合わせが悪くなり、ペダルを踏んでも力が伝わらないことがあります。
そのためチェーン引きで調整するか、チェーン交換となることが多いです。
チェーンの一部のピンとコマがサビて固着し、動かなくなっている場合に起きることが多いです。
外観からチェーンの一部が同じ形に固着しており、手で動かそうとしても動かないか、極端に動きにくい、また、動いても元に戻るという現象が起きます。
そのままではスプロケットへのあたりかたが悪く他のパーツを傷めるほか、漕いでいても力が伝わりにくかったとりします。
チェーンをほぐす方法もあるのですが、チェーンに交換になることが多くなるので、お持ち込み車両のチェーンの外観は必ず確認するようにしましょう。
チェーン引きの調整用のナットから外側に出ているネジ部分が約2.5~3cm程度出ていると、おおむねチェーン引きの限界です。
この状態でもチェーンがたるんでいる場合はチェーン交換となることがほとんどです。
特に雨天時の使用後に放置すると、チェーンが錆びやすくなります。錆びたチェーンはペダルが重くなり、ギアの摩耗を早める原因にもなります。
ただし、サビてコマやピンの動きが悪くなっている場合は交換の可能性が出てきます。
サビを理由としたチェーン交換の目安は、まずサビたチェーンに注油をしてみて反応をみることで交換か使用の継続かの1つの目安として判断できます。
一部が固着している場合はチェーンの固着箇所に注油し手やプライヤーなどで固着をほぐしてみて動きがよくなればそのまま継続使用できる場合もあります。
固着がなく全体の動きが悪い場合はチェーン全体に注油をして車輪を一回回しチェーンの動きが多少よくなればそのまま継続使用できる場合もありますが、チェーン引きの具合やスプロケットの状態、チェーン自体の表面状態など、複合的に判断するめある程度の経験が必要となりますので、将来的なリスクを考えこの段階でのチェーン交換をおすすめします。
上記以外のチェーン交換の目安もあります。
シングル、内装3段では、主にチェーンジョイントにクリップタイプとピンタイプが使用されています。
クリップタイプでは、クリップ部分が破損することがあります。クリップが折れている、クリップの先端が曲がっているなど、目視で確認できる異常です。
この場合、クリップ部分だけを交換することもできますが、同時にチェーンが摩耗している場合やサビがひどい場合はチェーン交換したほうがその後長く使用できます。
サビがひどい場合には新しいクリップが動きにくくなったりもするので、チェーン交換をオススメします。
①と同様、目視で確認できる異常です。
チェーンのプレートが曲がっている、もしくは一部破損して折れている場合がほとんどです。
この状態では、一部を交換するということはできないのでチェーン全体の交換が必須です。
シマノや各メーカーからチェーンチェッカーというチェーンの交換目安が測定できる工具が販売されています。
これは、基本的には外装のチェーンのみの使用です。
シングルや内装3段といった一般車のチェーン交換の目安は上記の目視と感覚による判断が主となります。
チェーンチェッカー工具の使い方については、こちらのコスナブログ記事を参照してください。
シマノチェーンチェッカー「TL-CN42」チェーン伸び測定と使い方
チェーンの寿命を延ばすためには、以下のポイントを意識しましょう。
定期的に柔らかい布でチェーンの表面を拭き、汚れを取り除きます。特に泥や砂が付着した場合は早めの掃除が必要です。
定期的な清掃の後、または雨の日に走行した後など自転車チェーンにオイルを塗布しましょう。オイルをつけすぎると汚れが付きやすくなるため、適量を心がけます。
重すぎるギアでの走行は、チェーンに過度な負担をかけ、早期摩耗の原因となります。適切なギア比で走行しましょう。
雨に濡れた後はすぐに水分を拭き取り、オイルを塗って錆びを防ぎます。
シティサイクルやママチャリのチェーンは、定期的なメンテナンスと適切なタイミングでの交換が重要です。
走行中の異音や伸び、サビなどのサインを見逃さないようにしましょう。
正しいメンテナンスを心がけることで、自転車の快適な走行と長寿命化が期待できます。