
古い工具に残る刻印は、ただの文字ではありません。
そこには、職人たちが積み重ねてきた時間や、手に宿っていた技の記憶が静かに息づいています。
コスナサイクルが三代にわたり受け継いできた“HATAYA TOOL CO., NAGOYA JAPAN” の振れ取り台もそのひとつ。
新しい機材が登場しても、この道具だけは変わらず作業の中心にあり続けました。
使い続けた者にしかわからない、確かな精度と手の馴染み。
今回は、長い年月をともにした道具が語る物語を、詩的な視点とブランドストーリーの両面からお届けします。
“HATAYA TOOL CO., NAGOYA JAPAN” の刻印が残る振れ取り台。
コスナサイクルは私で三代目になりますが、この台座は先代の時代から変わらず現役で使われ続けてきました。
どれだけ新しい振れ取り台が誕生しても、作業の“基準”として自然に手が伸びるのは、このHATAYAの台座です。
剥がれた赤い塗装、すり減った金属の縁。
触れればすぐにわかる、長い年月をともにした道具だけが持つ信頼の重さ。
精度の出し方、手の動き、リズム。
先代たちが積み重ねてきた整備の感覚が、この台座には確かに刻まれています。
職人が道具を育て、道具が職人を育てる。
その循環の中に、この振れ取り台は静かに佇み続けています。
ただそこにあるだけで、過去と現在をつなぐ“時間の橋”のようでした。
長く使われた道具の影にも、
新しい自転車の影にも、
同じように“時間の記憶”が宿っています。
この情景は、単独の記録ではありません。
コスナサイクルが積み重ねてきた営みの一部です。
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