小田原の自転車専門店

刻まれた名が語るもの — HATAYAの振れ取り台に宿る時間

古い振れ取り台の台座を写した写真。“HATAYA TOOL CO., NAGOYA JAPAN” の刻印が残り、赤い塗装が剥がれ、金属の縁がすり減っている。かつて自転車工具の名門だった HATAYA の手仕事の時間と気配が静かに感じられる。

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古い工具に残る刻印は、ただの文字ではありません。

そこには、職人たちが積み重ねてきた時間や、手に宿っていた技の記憶が静かに息づいています。

コスナサイクルが三代にわたり受け継いできた“HATAYA TOOL CO., NAGOYA JAPAN” の振れ取り台もそのひとつ。

新しい機材が登場しても、この道具だけは変わらず作業の中心にあり続けました。

使い続けた者にしかわからない、確かな精度と手の馴染み。

今回は、長い年月をともにした道具が語る物語を、詩的な視点とブランドストーリーの両面からお届けします。

刻印が導く、三代の記憶と手仕事の静けさ

“HATAYA TOOL CO., NAGOYA JAPAN” の刻印が残る振れ取り台。

コスナサイクルは私で三代目になりますが、この台座は先代の時代から変わらず現役で使われ続けてきました。

どれだけ新しい振れ取り台が誕生しても、作業の“基準”として自然に手が伸びるのは、このHATAYAの台座です。

剥がれた赤い塗装、すり減った金属の縁。

触れればすぐにわかる、長い年月をともにした道具だけが持つ信頼の重さ。

精度の出し方、手の動き、リズム。

先代たちが積み重ねてきた整備の感覚が、この台座には確かに刻まれています。

職人が道具を育て、道具が職人を育てる。

その循環の中に、この振れ取り台は静かに佇み続けています。

ただそこにあるだけで、過去と現在をつなぐ“時間の橋”のようでした。

長く使われた道具の影にも、
新しい自転車の影にも、
同じように“時間の記憶”が宿っています。

この情景は、単独の記録ではありません。
コスナサイクルが積み重ねてきた営みの一部です。

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投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」「BAAアドバイザー」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったライトスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。