小田原の自転車専門店

手になった工具|振れを感じ取る整備の感覚

自転車ホイールの振れを調整する作業中の手元。使い込まれた工具が手の延長のように扱われている様子。

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整備を続けていると、道具の存在が変わっていきます。

先代から使い続けているこの振れ取り工具も、そのひとつです。

新しい工具が並ぶ中でも、どうしても手放せない理由があります。

それは便利さではなく、感覚がそのまま伝わることです。

道具は次第に、手の延長ではなく、手そのものになっていきます。

道具と手が重なる場所

この自転車ホイール整備用の工具は、長い年月をともに過ごしてきました。

金属の重さや、ネジを回す抵抗が、手の中で自然に読めます。

ホイールがわずかに振れる音や感触も、指先に直接伝わってきます。

目で確認する前に、手が先に異変を察知します。

それは訓練というより、積み重なった時間の結果です。

最新の工具が悪いわけではありません。

それでも、この一本には、自分の感覚と完全に重なり合う場所があります。

技術とは、知識や手順だけでは成り立ちません。

道具と手が一体になったとき、整備は確かなものになります。

この工具は今も、私の手の一部として仕事を支え続けています。

この情景は、単独の記録ではありません。
コスナサイクルが積み重ねてきた営みの一部です。

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投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」「BAAアドバイザー」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったライトスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。