小田原の自転車専門店

安心・安全な走りを支える!コスナサイクルのクロスバイク組立・整備の秘密「前編」

自転車箱から取り出す七分組立状態

※記事の中にアフィリエイト広告を利用しています。

はじめに:完成車でも“未完成”な理由

この記事は、2025年4月11日に追記・更新しました。
【安心・安全な走りを支える!コスナサイクルのクロスバイク組立・整備の秘密「前編」】について反映しています。

多くの方がクロスバイクを購入する際、自転車専門店、量販店や通販などで「完成車」として販売されているものを見かけると思います。

しかし、実はその“完成車”という言葉に、大きな落とし穴があるのをご存知でしょうか?

実際のところ、メーカーや問屋さんから店舗に届く自転車は、七分組と言われる約70%程度しか組み立てられておらず、安全に乗れる状態とは言えません。

ブレーキや変速機の調整、ホイールの振れ取り、各ボルトの締め付けトルクの確認など、プロの整備士による最終調整が必要不可欠なのです。

この最終仕上げの工程が「自転車組立整備」と呼ばれる作業です。

同じ自転車でもお店より組立調整作業内容には差がでますので、見た目は同じでもその差は使用感として表れてきます。

そしてこの部分こそが、自転車専門店としてのコスナサイクルの“こだわり”がもっとも発揮される領域です。

こだわり①:1台1台入念な点検・組立整備作業

コスナサイクルでは、クロスバイクの組立整備も自転車の細部まで目を配り、一台ずつ時間をかけて丁寧にチェック。

たとえば、前後ハブの回転具合、ヘッド部分のグリス確認、ホイールバランス及びセンター確認、変速調整、前後ブレーキの利き具合など見た目だけではわからない部分まできちんと確認します。

そのため、「ただ箱から出して組む」だけではなく、「最初から丁寧に分解し、正しく組み直す」ことで、本当の意味での“完成車”に仕上げるのが、コスナサイクルの流儀です。

こだわり②:ワイヤー類の調整・初期伸びの対策も万全

クロスバイクの乗り心地や安全性に大きく関わるのが、シフトワイヤーとブレーキワイヤーの調整です。

新品のワイヤーは使用していくうちに「初期伸び」と呼ばれる緩みが生じるため、これを前提に整備しておかなければなりません。

コスナサイクルでは、最初の組立段階でワイヤーの初期伸びを見越して調整し、再調整の必要をできる限り減らしています。

それにより、お客様が購入直後から安心して走り出せるようなコンディションに仕上げています。

こだわり③:ホイールの“振れ取り”でスムーズな走行を実現

ホイールは自転車の「足」と言える重要なパーツです。

そのホイールの精度を左右するのが「振れ取り」という作業。これはスポークの張り具合を調整し、ホイールの回転軸がブレないように整える作業です。

一般的な店舗では、この振れ取りが省略されていることもあるかもしれませんが、コスナサイクルではすべての新車に対してミリ単位での精度調整を行い、滑らかでバランスの取れた走行感を実現しています。

こだわり④:グリスアップ&ネジ締めトルクも徹底管理

クロスバイクの各パーツには、多くのネジが使用されています。

これらのネジは、適切なトルク(締め付け具合)で締める必要があります。緩すぎればパーツが外れるリスクがあり、締めすぎるとネジ山が潰れたり、フレームが破損する危険も。

コスナサイクルでは、トルクレンチを使用して適正なトルクで締め付けを行い、万全の状態でお渡ししています。

さらに、必要な箇所にはグリスを適切に塗布する「グリスアップ」も忘れません。

これにより、サビの防止や可動部分の摩耗防止など、長く快適に乗るための下準備が施されています。

こだわり⑤:整備後も安心!無料点検サービスあり

コスナサイクルでは、自転車をご購入いただいた後も安心していただけるよう、アフターサービスにも力を入れています。

ご購入約2ヶ月後の初回無料点検を行っております。

コスナこだわりの自転車組み立て整備作業

今回組立作業としてクロスバイクを例にとっていますが、

クロスバイクと言っても価格も色々ありお求めやすい価格から高性能で軽量なモデルまであります。

コスナサイクルの自転車組立作業には、自転車本体の価格による組立作業の差はありません。

どれも1台1台入念に店長自ら組立調整整備作業を行います

当然、それなりに完成まで時間がかかってしまいます。

更に、

組立終了後には、最終チェックとして試乗を行い最後の微調整を行いこれで自転車が完成します。

それなのでコスナサイクルの完成車は、タイヤが少し汚れていますが、それが安心・安全の「証」です。

それでは、コスナサイクルのこだわりの組立整備作業「前編」をご覧ください。

クロスバイク自転車組み立て整備作業「前編」

  1. メーカーからは箱で自転車が届く
  2. ヘッド部分グリス確認
  3. 前後ハブ軸調整作業
  4. 前輪ホイールバランス調整作業
  5. 後輪ホイール確認調整作業

1.メーカーから箱で自転車が届く

自転車箱 コーダーブルーム

各メーカーからこのような自転車の箱で届きます。

自転車箱から取り出す七分組立状態

自転車の箱から取り出すと、工場組立で「七分組」状態になっています。

2.ヘッド部分グリス確認

自転車組立作業クロスバイクヘッド部分

まず最初に、組付けされてるハンドルステムを一旦外して、ヘッドパーツ部分のグリス確認作業を行います。

自転車組立作業ヘッド部外す

工場出荷状態のヘッドパーツ部分はほんの僅かグリス塗布された状態です。

自転車組立作業ヘッド部分にグリス注入

ヘッドパーツ部分の上下にグリス補充のためグリスガンを使ってグリスを塗布します。

自転車組立作業 ステムネジにグリス塗布

ハンドルステムを再組付けする時に、締め付けが一定になるようにネジ部にグリスを塗布します。

自転車組立作業ハンドルバー取付ステムネジにグリス塗布

ハンドルステムにハンドルバーを取り付ける際にも、ネジ4本にグリスを塗布します。

自転車組立ハンドルステムにバー取付仮組

ハンドルバーをハンドルステムに仮組します。

自転車組立作業で作業台にセットする

専用作業台に自転車をセットして次の作業に入ります。

3.前輪ハブ軸調整作業

自転車組立作業ハブ軸回転調整

タイヤチューブが取り付けられた状態から一旦全て取り外してホイール調整作業に入ります。

先ず、ハブ軸の回転具合の確認です。

このハブ軸部分は、工場出荷時は固く締まっていることも多く、ゴリゴリした感覚のままですとベアリングに影響を及ぼしますのでベストな回転状態になるように調整します。

自転車組立作業 ホイールからタイヤを取り外す

ハブ軸調整が済んだら、ハブ軸にありますゴム製のダストカバーなのですが、通常そのまま被せてあるのですが、それでは摩擦抵抗が大きすぎてハブ軸回転も重くなってしまいます。

自転車組立作業ハブ軸ゴムパッキンにシリコーンスプレー噴射

ゴム製ダストカバーを外し、無溶剤のシリコーンスプレーを噴射して滑りをよくすることで、ハブ軸の回転がより滑らかになります

4.前輪ホイールバランス調整作業

自転車組立作業 前輪ホイールセンター確認

ホイールの左右のセンター位置をセンターゲージを使い確認します。

工場出荷時には、左右センター位置は許容範囲に収まっている場合が多いですが、店長の私が納得しませんので、更に精度を求めホイールセンターの微調整を行います。

自転車組立作業ホイールバランス調整

ホイールバランスは、専用リム振れ取り台にセットしてリムの左右の振れと縦振れ両方を取りながら精度を高めていきます

自転車組立作業スポークテンション確認

スポーク1本1本の張力バランスをスポークテンションメーターを使用して確認します。

自転車組立作業前輪タイヤ空気圧設定

タイヤチューブを再取付して、指定空気圧まで空気を補充して前輪ホイール作業終了です。

自転車組立作業前輪クイックシャフトにグリス塗布

ハブ軸シャフトには、サビ防止も兼ねてグリスを塗布します。

5.後輪ホール確認調整作業

自転車組立作業スプロケット締め付け確認

後輪ホイールは、カセットスプロケットと言われる多段ギヤ部分の締め付け確認から入ります。

この部分の締め付けが緩いと変速にも影響がでますので必ず確認をします。

自転車組立作業後輪ハブ軸回転具合確認

前輪と同じように後輪のハブ軸の回転具合を確認します。

自転車組立作業後輪ホイールセンター確認

後輪も左右センターゲージをあてホイールセンター位置を確認します。

自転車組立作業後輪スポークテンションメーターで確認

ホイール振れ取り台に後輪もセットしてスポークのバランス調整と張力バランスはテンションメーターで1本1本こちらも確認します。

自転車組立作業後輪タイヤ空気圧設定

後輪ホイールにタイヤチューブを再取付し、ゲージ付きフロアポンプで指定空気圧にセットして終了です。

まとめ:コスナサイクルの整備は“安心”と“信頼”の証

クロスバイクは見た目がスマートで、スポーツバイクの入門としても人気がありますが、その性能を最大限に引き出すには、やはり正確で丁寧な組立整備が不可欠です。

コスナサイクルでは、一台一台に心を込めて、見えない部分にも手間を惜しまず、安心・安全な乗り心地を提供しています。

「どこで買っても同じ」ではなく、「どこで整備されたかが重要」ということを、ぜひこの機会に知っていただけたら嬉しいです。

あなたのクロスバイクライフが、より快適で安全なものになりますように。

コスナサイクルこだわりの自転車組立整備作業は、今回クロスバイクを用いて自転車の箱の状態から取り出しホイール調整作業までを「前編」としお伝えしました。

「後編」については、こちらのコスナブログ記事を参照してください。

組立だけじゃない!クロスバイク組立整備コスナの徹底チェック術【後編:整備の極意】

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。