小田原の自転車専門店

ペダルが重い?自転車が進まない原因はハブナットの締めすぎだった!

自転車後輪ハブ軸シャフトの回転具合を手で確認

※記事の中にアフィリエイト広告を利用しています。

はじめに:漕ぎ出しの違和感、その原因とは?

この記事は、2025年5月17日に追記・更新しました。
「ペダルが重い?自転車が進まない原因はハブナットの締めすぎだった!」について反映しています。

「坂道でもないのにペダルが重たい」「風もないのに進みが悪い」
そんな違和感を覚えたとき、空気圧やチェーンの不具合を疑う方が多いでしょう。

ですが、整備のプロの視点から見ると、見落とされがちな原因のひとつに「ハブ軸調整ナットの締めすぎ」があります。

ハブとは、タイヤの中心にある回転軸部分のことで、自転車の“滑らかな走り”を根本から支えている極めて重要なパーツ。ここが正しく調整されていないと、いくらタイヤやチェーンが完璧でも、走行に不快な抵抗が発生してしまうのです。

但し、他店購入車で別の修理依頼でご来店頂いたお客様の中には、「車輪が重く感じませんでしたか?」とお尋ねしても、ほとんどのお客様は、そのこと「車輪がスムーズに回転していない事」に気が付かずそのまま乗車していらっしゃる方が多いのも事実です。

「ハブ」とは何か?初心者向けに仕組みを解説

自転車の心臓部「ハブ」

ハブは、ホイールの中心にある金属部品で、左右のフレーム(エンド)と車軸を介して接続されています。
その中にあるベアリングによって、タイヤがスムーズに回転する仕組みです。

多くのシティサイクルやママチャリで採用されているのが、「カップ&コーン式ハブ」。
これは、車軸の両端にある「コーンナット(調整ナット)」と「ロックナット(固定ナット)」でベアリングの当たりを微調整し、滑らかな回転を維持するという構造です。

ハブナットの締めすぎが引き起こす“重たい”トラブル

回転が妨げられるメカニズム

コーンナットを締めすぎると、ベアリングが内部で強く押しつけられ、滑らかに回転できなくなります。
この状態で走行すると、以下のような症状が現れます:

  • 明らかに漕ぎ出しが重くなる
  • 惰性での走行距離が短い
  • タイヤを手で回してもすぐに止まる
  • 音鳴りやゴリゴリとした違和感

これは、いわば「ブレーキを軽く引いたまま走っている」ような状態であり、自転車本来の性能が大きく損なわれてしまうのです。

自己診断のチェックポイント

整備に詳しくない方でも、簡単な方法でハブの異常を見つけることができます。

■空転テスト

  1. 自転車の前輪または後輪を地面から浮かせる(スタンドでもOK)
  2. ホイールを手で勢いよく回す
  3. 回転がすぐ止まる・ゴリゴリとした引っ掛かりを感じたら、ハブの調整を疑ってください

■他の原因と比較

原因症状対処法
空気圧不足フワフワした乗り心地空気を補充
チェーン摩耗音がうるさい・変速不良清掃・注油
ハブ締めすぎペダルが重く回転鈍いハブ調整・点検

DIYで調整はできる?注意点と手順の概要

工具が揃えば可能だが…

自分でハブ調整を行うには、専用工具と細かい調整技術が必要です。

必要な工具

  • コーンスパナ(13、14、15、17mmなど)
  • パーツクリーナー
  • グリス

作業の流れ

  1. 車輪を外す
  2. ロックナットとコーンナットを順に取り外す
  3. ベアリングと内部の洗浄
  4. グリスを詰め直して、慎重に再組み立て
  5. ベアリングの回転をベストな状態にする微調整

※調整は非常に繊細な作業で、締めすぎれば回転不良、緩すぎればガタが発生します。
誤ってベアリングを紛失する危険性もあるため、不安がある方は無理せず自転車専門店へご依頼することをおすすめします。

プロに依頼するのが安全な理由

  • ベストな回転状態の調整には熟練の感覚が必要
  • 分解・再組立時のリスク(ベアリングの落下・紛失など)
  • 工具を揃えるコストを考えると、専門店の点検がコスパ良し!

当店コスナサイクルでは、経験豊富な自転車のプロ整備士が、走行の“違和感”を見逃さず最適な整備を提供しています。

コスナサイクルのハブ軸の確認・調整作業風景

前輪ハブ軸の回転が硬くて重い!

車フロントハブ軸シャフトの回転具合を手で確認

コスナサイクルでは、タイヤチューブ交換依頼の時に、確認する作業のひとつにこの「ハブ軸シャフトの回転具合」のチェックがあります。

こちらは前輪のハブ軸シャフトですが、本来なら手で回してもスムーズにシャフト軸が回転するのですが・・・?

これは、ハブ軸シャフト部の締めすぎが硬く、手で回しても重く、やっと回転するぐらいで更にハブ内部のベアリングがゴリゴリした感じになっていました!

これでは、いくら漕いでも重く前へ進みにくかったと思います。

前輪ハブ軸シャフトの回転を再調整

自転車フロントハブ軸調整

専用スパナ工具を使用して、硬くて重いハブ軸シャフト部の調整作業を行います。

この作業は実は、かなり繊細な作業でして、回転部分のベアリングの当たり具合調整、ハブ軸調整で緩めすぎますと今度はハブ軸に微妙にガタが出てしまいますし、個体差もありますので、その辺はプロの技と熟練の感覚でベストな状態に仕上げます。

車フロントハブ軸シャフトの回転具合を手で確認

再度、ハブ軸調整後を手で回して確認です。

今度は手で回してもスムーズに回転して軽~くなりました!

今回は、修理ご依頼のお客様がいらしたのでハブ軸シャフトの調整前と調整後を実際、お客様の手で回して比べていただいたのですが、あまりの回転の違いに「びっくり!」されていました!

後輪ハブ軸も前輪と同じくハブ軸が硬くて重い!

自転車後輪ハブ軸シャフトの回転具合を手で確認

後輪もタイヤチューブ交換で、シャフト部の回転を手で確認してみましたら・・・?

前輪と同じく重くて手で回すのが大変!

後輪ハブ軸の回転を再調整

自転車後輪ハブ軸シャフト硬さ調整

後輪のハブ軸もシャフトの回転調整作業を行います。

ベアリングのガタつき調整、ハブ軸シャフトの回転具合などべストな状態にこちらも調整。

ハブのトラブルを未然に防ぐには?

■定期点検がカギ!

  • 月1回:空気圧・ブレーキ・チェーン点検
  • 年に1回:ハブ・BB・ヘッド周りなど回転系チェック

■異変を感じたら早めの相談を

  • 「重たい」と感じたら、放置せずプロに相談を!
  • そのまま乗り続けると、ベアリングが破損し、修理費が高額に…

よくある質問(FAQ)

Q1. 自転車のペダルが重く感じる原因には何がありますか?

A1. 空気圧不足、チェーンの汚れや伸び、ブレーキの引きずりなどが一般的な原因ですが、ハブナットの締めすぎによる車輪の回転抵抗も意外と多い原因です。空転チェックで早期に異常を確認しましょう。

Q2. ハブ軸の締めすぎかどうかはどう判断できますか?

A2. 自転車を浮かせてホイールを手で回してみましょう。スムーズに回らずすぐ止まる、ゴリゴリした感触がある場合は、締めすぎの可能性が高いです。放置するとベアリングが傷む恐れがあります。

Q3. 自分でハブの調整をするのは難しいですか?

A3. ハブ調整にはコーンスパナなどの専用工具と、適度な締め具合を見極める感覚が必要です。誤った調整は車輪の不具合や事故にもつながるため、初心者には専門店での点検・整備を推奨ます。

Q4. ハブの点検・整備はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

A5. 通常の使用であれば、1年に1回を目安に点検するのが理想です。雨天走行や長距離通勤が多い方は、より頻繁な点検をおすすめします。定期メンテナンスで自転車の寿命も延びます。

まとめ:走りが重たい…その真因は“見えない部分”にある

自転車の漕ぎ出しが重く感じられるとき、空気やチェーンばかりに注目しがちですが、実はハブの調整不良が原因であることは少なくありません

しかも、見えにくい部分であるため気づきにくく、改善もしづらい。
だからこそ、日頃からのメンテナンスと、**「少しでも異変を感じたら早めに相談する」**ことがとても大切です。

コスナサイクルが、あなたの自転車を“軽やか”に!

「ちょっと最近重たいかも…」そんなお悩みをお持ちの方も、ぜひお気軽にご相談ください。
ハブ調整からパーツ交換まで、熟練整備士の店長の私が、あなたの愛車をベストコンディションに整えます。

今後も、皆様のサイクルライフをサポートするための情報を、これまでに公開した約600記事以上とともにコスナサイクル公式サイトにて随時発信してまいります。

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。