自転車のチェーンは1コマ1コマがピンによりつながって構成された部品です。
そのチェーンのコマ部分のピンを抜いて外したり、またチェーンのコマ部分とコマ部分をチェーンピンでつないだりする時に使用する専用工具が自転車チェーン切り工具(チェーンカッターとも言います。)です。
自転車チェーン切り工具もいろいろな商品が出ておりますが、その中でコスナサイクル店長のわたしも作業用に使用している「プロが使う自転車チェーン切り工具」としておすすめするのが【HOZAN(ホーザン)C-371】チェーン切り工具です。
適応チェーン:電動アシスト自転車用チェーン、シマノ製HG/IG/UGチェーンほか多段式ナローチェーン、カンパニョーロ製11Speed用チェーン、BMXなどの厚歯用チェーンなど幅広く対応しています。
※Wippermann(R)製チェーンの一部で対応しないものがあります。
対応チェーンサイズ:1 / 2×1 / 8、1 / 2×3 / 32、1 / 2×3 / 16
付属として、C-371-1替え矢1本、カシメアタッチメント1個が付いてきます。
このHOZAN C-371自転車チェーン切り工具1本あれば、ほとんどのチェーン交換作業が行えます。
ホーザンC-371チェーン切り工具の特長は、赤い矢印のチェーンガイド部分が使用するチェーンの厚さに合わせて青い矢印の方向にスライドして、しっかり固定してくれるのでほとんどのチェーンに適応してくれます。
※チェーンを切る(切断)場合の注意事項
C-371チェーン切り工具のガイド部分にチェーンの切断したい箇所が真ん中にくるように十分に差し込みます。
切断するチェーンがチェーンガイドから外れないように指で上から押さえながピンの中心に合わせてハンドルを回します。
チェーン切り工具のハンドル部を回しながらチェーンピンをゆっくり押し出してチェーンピンを抜き取ります。
チェーンピンを抜き取った後のチェーン
切断するチェーンをガイドにのせチェーンピンの中心に合わせてC-371チェーン切り工具のハンドルをゆっくり回しながら目視でピンの出具合を確認しながら作業を進めていきます。(ピンを完全に抜き取らないように注意してください。)
このようなにチェーンアウターリンクにピンを残します。
アウターリンクにピンが残った状態でチェーンリンク部分を取り外します。
コネクティングピンを使用する場合は、必ずメーカー指定の段数に合ったコネクトピンを使用します。
例えば、シマノ製チェーンピンでは、6/7/8段チェーン用チェーンピン(ブラックカラー)、9スピードチェーン用チェーンピン(シルバーカラー)、10スピードチェーン用チェーンピン(2本ライン付)※CN-7800を除く、11スピードチェーン用チェーンピンがあります。
また、スポーツバイク系のチェーンにはコネクトピンではなく、クイックリンクを使用してチェーンをつなぐものもあります。
チェーンをつなぐ箇所にコネクトピンを通して仮止めします。
C-371本体のガイドに乗せハンドル部を後退させて仮止めしている状態のピンを中心に合わせてセットし、次にハンドルをゆっくり回してコネクトピンを圧入していきます。
チェーンが適切な位置に圧入されたら、ハンドルを後退させてチェーンを取り出します。
チェーンの適切な位置を見極めるポイントとして、
ハンドルをゆっくり回してピンを圧入していて一瞬手にかかる力が抜ける瞬間を感じた箇所がチェーンピンの適正な位置ですが、個体差もあり感覚的なところもありますのでご自身で作業を行うときは適正位置が近くなったら慎重に作業を行ってください。
適正位置にコネクトピンが圧入されたら、ピンガイド(出っ張った部分)を切断するため、チェーン切り工具C-371の穴のある部分にピンガイドを通して先端をよじって折ります。
チェーン裏側のピンガイドをよじって折った状態。
これでチェーンコネクトピンによるチェーンつなぎが完了です。
チェーンをつないだ箇所が各リンク同士で押さえつけあった状態になるため、チェーンリンクの動きがしぶくなりスムーズに動かなくなることがあります。
それを調整するのが「チェーンのしぶり調整」です。
※現在のスポーツ用チェーン(多段式スプロケット用チェーン)のほとんどは「しぶり調整」を行う必要がありません。
この画像は、古いチェーンを使用してあえてリンクの動きが悪い状態を再現したものです。
チェーン切り工具C-371本体の手前にあります「しぶり調整ガイド」に動きの悪いリンクを真ん中に合わせてセットします。
次にハンドルを回してチェーン先矢をピンに当て、当たったところから更にハンドルを時計方向に1/4~1/2回転まわします。
ハンドルを反時計方向に回してチェーンを取り出します。
これで「チェーンしぶり調整」の完了です。
チェーンリンク部分もスムーズに動くようになりました。
自転車チェーンも消耗品です。定期的にチェーン伸びを測定して摩耗具合を確認してください。
シマノチェーンチェッカー「TL-CN42」チェーン伸び測定と使い方
自転車チェーンにも種類や互換性がありますので必ず現在お使いの駆動部分に適合したチェーンをご使用ください。
また、チェーンを新品に交換したのに歯飛び現象が起きてしまったと言う場合は他の原因が考えられます。
こちらのコスナブログ記事を参照してください。
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