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自転車バルブ完全ガイド|英式・仏式・米式の違いがひと目でわかる写真付き

自転車バルブ種類 米式・英式・仏式

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間違えると空気が入らない!? 自転車バルブの基本を知ろう

この記事は、2025年8月26日に最新情報を追記・更新しました。
「自転車バルブ完全ガイド:英式・仏式・米式の違いと選び方のポイント」に関する事を反映しています。

自転車の空気入れを正しく行うには、まず「バルブの種類を理解すること」が最も大切です。

実は「ポンプが合わず空気が入らない」「どのタイプを選べばいいか分からない」と困った経験をした方は多いのではないでしょうか。

特に最近は、シティサイクル・クロスバイク・マウンテンバイクなど車種によって異なるバルブが採用されており、初めて扱う人が迷うケースが増えています。

この記事では、自転車に使われる代表的な3種類──英式・仏式・米式バルブの特徴や違い、見分け方、正しい選び方を写真付きでわかりやすく解説します。

最後まで読めば、自分の自転車に合ったバルブがひと目で分かり、もう空気入れで失敗することはありません。
小田原で長年、自転車修理やメンテナンスに携わってきた経験をもとに、自信を持ってお届けします。

自転車のバルブとは何か?

自転車のバルブとは、タイヤのチューブに取り付けられている空気の出入口のこと。

空気を入れるだけでなく、内部の圧力を一定に保つためにも重要な役割を果たしています。

一般的に使われる自転車バルブの種類は3種類(英式・仏式・米式)で、空気を入れる仕組みや管理方法が異なるため、適切な使い方を知っておくことが、快適な自転車ライフにつながります。

自転車バルブの呼び名(代替名称)

自転車バルブ(英式・仏式・米式)は種類によって実は呼び名もそれぞれ色々あるんですよ!

  • 英式バルブ
    ウッズバルブ
    ダンロップバルブ(DV)
    イングリッシュバルブ(EV)
  • 仏式バルブ
    フレンチバルブ(FV)
    プレスタバルブ
  • 米式バルブ
    シュレーダーバルブ(Schrader valve)
    アメリカンバルブ(AV)

自転車バルブ3種類について

自転車のチューブには、空気を入れるための バルブ(口金) が付いています。一般的に使われるバルブは、以下の 3種類 です。

  1. 英式バルブ(ウッズバルブ)
  2. 仏式バルブ(フレンチバルブ)
  3. 米式バルブ(シュレーダーバルブ)

それぞれに 特徴や用途が異なる ため、「どのバルブが自分の自転車に使われているのか?」を知っておくと、空気入れの選び方やメンテナンスがスムーズになります。

英式バルブ(ウッズバルブ/イングリッシュバルブ)

自転車バルブ種類 英式バルブ
英式バルブ(シティサイクルに多い)

特徴と構造

英式バルブは多くの電動アシスト自転車、シティサイクルや、いわゆる「ママチャリ」と呼ばれるモデルに最も多く使われている形式です。

内部には虫ゴムと呼ばれるゴムチューブがあり、これが逆流防止の役割を果たしています。

メリット

  • 一般的な空気入れ(ママチャリ用)で空気を入れられる
  • 虫ゴムは手に入りやすく、安価で交換が簡単
  • 特別な工具は不要

デメリット

  • 高圧に耐えられず、スポーツバイクには不向き。
  • 虫ゴムが劣化すると空気漏れの原因に。
  • 空気圧管理がアバウトになりやすい。

見分け方

  • 先端が 短く、丸みを帯びた形状
  • バルブの先端に キャップが付いていることが多い
  • 口金部分は太め

主に使われている自転車

  • 電動アシスト自転車(一部モデルを除く)
  • ママチャリ(シティサイクル)

豆知識:虫ゴム交換の目安

とくに夏場は、暑さで虫ゴムが劣化しやすいので空気抜けが早い場合などは、一度チューブ口金の金具を取り外して虫ゴムの交換をしてみてください。
また1年に1回は虫ゴム交換をおすすめします。

仏式バルブ(フレンチバルブ/プレスタバルブ)

自転車バルブ種類 仏式(フレンチバルブ)
仏式バルブ(クロスバイクに多い)

特徴と構造

仏式バルブは、細長く軽量な構造で、高圧にも対応。バルブの上部に小さなネジがあり、これを緩めてから空気を入れます。

主にクロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクモデルに使われています。

メリット

  • 正確な空気圧の調整が可能。
  • 高圧対応なので走行性能を引き出せる。
  • パンクのリスクが比較的低い(空気圧が高いため)。

デメリット

  • 専用のポンプやアダプターが必要。
  • ネジ部が繊細で曲がったり折れたりする可能性がある。
  • 初心者には扱いにくく感じることも。

見分け方

  • 細長い形状で、先端にネジがある
  • 空気を入れる前に、ネジを少し緩める必要がある
  • バルブの根元に固定用のナットが付いていることが多い

主に使われている自転車

  • ロードバイク
  • クロスバイク
  • 一部のマウンテンバイク(軽量モデル)

空気圧管理の重要性

仏式バルブを使用している場合、空気圧を「psi」や「bar」単位で管理しましょう。
毎週またはライド前に必ず空気圧チェックを。

例として、クロスバイクのタイヤ指定空気圧が7気圧(bar)ぐらいが多いですが、一般自転車の空気圧が3気圧、車のタイヤの空気圧が2.5気圧ぐらいとしたらいかに高圧なのかがお分かりだと思います。

米式バルブ(シュレーダーバルブ/アメリカンバルブ)

自転車バルブ種類 米式(シュレッダーバルブ)
米式バルブ(MTBやBMXに多い)

特徴と構造

米式バルブは、自動車のタイヤと同じ形式。内部にスプリングが入っており、押し込むことで空気の出入りができます。

耐久性が高く、マウンテンバイクやBMXに多く使われています。

メリット

  • 丈夫で壊れにくい。
  • 空気圧計が付いたポンプが多く、管理しやすい。
  • 自動車の空気入れでも対応可能。

デメリット

  • やや重く、スポーツ用途には不向きな
  • 英式バルブ用の空気入れでは使えない(アダプターが必要)

見分け方

  • 太く、ゴツい形状
  • 自動車のタイヤのバルブと同じ形
  • 内部にバネが入っており、押すと空気が抜ける

主に使われている自転車

  • マウンテンバイク(MTB)
  • ビーチクルーザー
  • BMX

メンテナンスポイント

米式バルブのバルブコア(内部のピン)は専用工具で取り外し可能。

米式(べいしき)バルブは、車社会のアメリカが発祥でガソリンスタンドにあるポンプでも入れられるように車やオートバイなどと共通です。

アメリカで誕生した自転車、マウンテンバイクやビーチクルーザーなどに採用されているのも納得ですね。

特にマウンテンバイクなどで起伏の激しい道を走破する時など、路面コンディションによりエア量を微調整しやすいのも特長のひとつです。

どのバルブがどの自転車に向いている?

バルブの種類対応自転車特徴
英式バルブママチャリ、電動アシスト使いやすさ重視
仏式バルブクロスバイク、ロードバイク空気圧管理重視
米式バルブMTB、ビーチクルーザー、BMX耐久性・汎用性重視

空気入れの選び方とバルブアダプター

多くのフロアポンプや携帯ポンプは仏式・米式の両対応が主流ですが、英式に対応する場合はアダプターが必要なことも。

英式→仏式の変換アダプター(フレンチバルブアダプター)や、仏式→米式など、用途に応じて持っておくと便利です。

スポーツバイク向き店長おすすめフロアポンプや使い方、フレンチバルブアダプターについては、こちらコスナブログ記事で紹介していますので参照してください。

自転車おすすめフロアポンプ「サーファスFP200 AF-T3」の特長と使い方を解説

クロスバイク・ロードバイクのフロアポンプ使い方完全ガイド|初心者必見!正しい空気の入れ方

初心者向けガイド:フレンチバルブアダプターを使った空気の入れ方完全解説

よくある質問(FAQ)

Q1. 英式バルブは自分で交換できますか?

A.はい、英式バルブは初心者でも比較的簡単に交換できます。

内部の「虫ゴム」が劣化して空気漏れを起こすことが多いため、虫ゴムだけを取り替えるケースも一般的です。
虫ゴムや英式バルブ本体は安価で、工具もほとんど必要ありません。

交換手順はキャップを外し、古い虫ゴムを取り出して新しいものを差し込むだけ。
作業は数分で終わります。

空気がすぐ抜ける、入れにくいといった症状が出たら、まず虫ゴム交換を試すのがおすすめです。

Q2. 英式・仏式・米式バルブで空気入れは共通して使えますか?

A.そのままでは使えません。

英式は一般的な空気入れで対応可能ですが、仏式や米式には専用の口金やアダプターが必要です。

最近は3種類すべてに対応できるマルチ対応フロアポンプ(英式バルブ用アダプター付き)も販売されているため、1本持っておくと便利です。

Q3. バルブはどのくらいの頻度でチェックすべきですか?

A.最低でも月に1回はチェックしましょう。

特に虫ゴムを使う英式は劣化による空気漏れがパンクの原因にもつながりますので定期的に交換しましょう。

また、仏式や米式もネジや内部部品の緩みがないか確認しておくと、突然のトラブルを防げます。

まとめ:バルブの理解は快適な自転車ライフの第一歩!

日々のライドを快適に、安全に過ごすためには、自転車のバルブ3種類を正しく理解し、適切に空気を管理することが欠かせません。

特にスポーツバイクでは空気圧が走行性能に直結します。

自分の乗っている自転車のバルブタイプを確認し、正しいポンプやメンテナンス用品を用意することで、より安全で楽しい自転車ライフを実現できます。

最後にポイントおさらい

  • ママチャリ、電動アシスト自転車 など→ 英式バルブ(ウッズバルブ)
  • クロスバイク・ロードバイク 、小径ミニベロなど→ 仏式バルブ(フレンチバルブ)
  • MTB・ビーチクルーザー・BMXなど → 米式バルブ(シュレーダーバルブ)

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」「BAAアドバイザー」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったライトスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。