自転車の組立及び整備等でとても重要になるのがトルク管理です。
そのトルク管理を行う工具がトルクレンチです。
トルクレンチには種類があります。
トルクレンチとは、ボルト・ナットなどを適正トルクで締め付けるための精密機器の工具です。
すでに締め付けられているボルト・ナットがなど、どれくらいの力で締め付けられているかを確認するものではありません。
今までもトルクレンチを使い分けていましたが、より正確にトルク管理を行うため今回、デジタルトルクレンチを導入しました。
KTC(京都機械工具株式会社)のデジタルトルクラチェット(デジラチェ)
モデルNo.GEK060-R3は、トルク測定範囲12~60N.m(ニュートンメートル)、ソケットレンチの差込角サイズ9.5sq
梱包内容物は、デジラチェ本体、専用樹脂ケース、取扱説明書、デジラチェ操作早見表、それと測定器の校正証明書も付いています。
KTCデジタルトルクラチェット(デジラチェ)には、トルク測定範囲により種類がありますので用途に合ったモデルを選択してください。
先ずは、デジラチェ表示部の保護用クリアシートを剥がします。
本体裏側に電池カバーがあります。
最初はテスト用ボタン電池が入っていますので、絶縁シートを取り出せばすぐに使用できます。
赤い印のPボタンを指で押して電源を入れます。
起動中の「ーーーー」表示された後にLED部分が赤く1回点灯と同時に「ピッ」とブザー音が鳴り計測モードになります。
ソケットの取り付け取り外し時にはラチェット部のプッシュボタンを押します。
ソケットは付属でついていませんので、別で購入してください。
ソケット部の差し込み角の確認を忘れないようにしてください。
シマノクランクの取り付けネジを適正トルク値で締め付けます。
このクランクの指定トルク値は12-14N.mと表記されています。
プレセットモードでの使用では、目標トルク値を設定してから作業もできます。
画像は13N.mに設定した場合です。
また、メモリーナンバーに最大5件までトルク数値を記憶させることもできます。
商品出荷時には、あらかじめ各メモリーナンバーにトルク値が登録されています。
M1は12N.m、M2は24N.m、M3は36N.m、M4は48N.m、M5は60N.mです。
指定トルク範囲値の上限値と下限値をあらかじめ設定しておくことで、指定されたトルク値の範囲内にトルクのピークが入れば合格となり合格回数にカウントされます。
しかし、設定されたトルク値の範囲にピークトルクが入らなければ不合格となり合格回数のカウントになりません。
画像は、下限を12N.mで設定。
画像は、上限14N.mで設定。
これで先程のシマノクランクの指定トルク値12N.m-14N.mで設定してトルク管理の合否判定モードとして使用できます。
合否判定モードでは、設定トルクの下限値~上限値で合格するとLEDが赤く点灯しブザー音(連続音ピッ~!)がします。
画像のトルク数値は合格です。
合否判定モードで不合格の場合は、
設定トルクの下限値90%~100%の場合はLEDの点灯と断続音でピッピッピッとブザー音がします。
設定トルクの上限値オーバーの場合はLEDの点灯と断続音ピピピピとブザー音がします。
KTCデジタルトルクラチェット(デジラチェ)を使った自転車ペダルのトルク管理に最適なのがこちらKTCペダルレンチ(クローフィットタイプ)です。
ペダルレンチをKTCデジラチェにセットします。
KTCデジラチェは右ネジ、左ネジどちらの締め付けトルク測定にも対応しています。
KTCデジラチェでの自転車ペダルレンチのトルク値は、使用するデジラチェのモデルにより換算数値(例)が異なります。
KTCデジタルラチェット(デジラチェ)の電池交換時は必ず指定のコイン型リチウム電池を使用してください。
パナソニック製推奨でCR2354モデルです。
本体に付属の電池はテスト用なので最初から予備として一緒にコイン型リチウム電池(パナソニック製)も購入しておくことをおすすめします。
デジラチェを実際作業に使っていますが、音と光でトルクをチェックできるので今まで以上に作業が安心して行えます。
特にロードバイクなどはカーボン製品も多く採用されていますので指定トルク値でのトルク管理は重要です。
こちらのコスナサイクルブログ記事も参照してみてください。
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