小田原の自転車専門店

ママチャリと電動アシスト自転車のアウターワイヤー、インナーワイヤーのほつれ具合と交換目安

ママチャリ、電動アシスト自転車のブレーキアウター劣化とインナーほつれ具合

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ブレーキインナーワイヤーとは?

自転車ブレーキインナーワイヤーとは、ブレーキユニットとレバーをつなぐラインの鉄線(ステンレス製などもあります)のことです。

インナーワイヤーは鉄線をより合わせて作られているため、ブレーキの使用を続けるとよりあわせがほぐれてきて錆びや経年劣化等によりほつれが酷くなり最悪はインナーワイヤーが切れてしまいます。

また、前ブレーキゴムの摩耗や後輪ブレーキのドラムタイプと言われる本体内部のブレーキパッドの摩耗などと合わせて制動距離が長くなっていくので、ブレーキケーブルの交換は2年に一度がメーカーから推奨されています。

交換以外にも、ワイヤーの固定ネジで調整して引きしろの遊びを少なくすることもできるので、遊びが効くようになったらすべて交換しなくてもいいですが、交換目安を覚えて適切に対応できるようにしましょう。

※インナーワイヤーの交換をする場合は、一緒にアウターケーブルも交換します。インナーワイヤーが経年劣化していると同じようにアウターケーブル内部にもサビが発生したり、ホコリなどの汚れがたまっていたりし、インナーワイヤーのみ交換してもすぐに劣化してしまったり100%の機能を発揮できないこともあります。必ず2つの部材は一緒に交換するようにしましょう。

インナーワイヤーの交換目安(絶対に交換となる例)

■断線している

自転車ブレーキインナーケーブルの断線

レバーを握ってみても(レバーは動くが)ブレーキユニットが一切動かない、レバーのタイコ取り付け位置を見たらタイコ部分がちぎれている、といった場合はインナーワイヤーが断線しています。
調整などでは直せないのでワイヤーを交換しましょう。

■ほつれがある

自転車ブレーキインナーケーブル固定部ほつれ

インナーワイヤーは鉄線をより合わせたものなので、使用していくとほつれが発生します。ワイヤーのタイコ部分の反対側でブレーキユニットに固定する止めネジの付近が一番ほつれが発生します。
特に止めネジから先のフリーになった部分が一部の隙もなくほつれてしまっていることもあります。
この場合、ブレーキ調整などを実施すると止めネジ部が止められなかったり、レバーの遊びが調整できないので必ず交換してください。走行中にワイヤーが断線してしまうこともあります。

■外観から確認できるインナーワイヤーが錆びている

アウターケーブルを外さなくても、ブレーキユニットの止めネジから先の部分やユニットの隙間部分からインナーワイヤーを確認することができます。

サビがひどいインナーワイヤーでは下り坂などのワイヤーを酷使する場面で突然断線してしまったり、そもそも制動力が弱くなってなかなか自転車が止まらないなどの危険があります。

誰かにぶつかってケガをさせてしまうこともあります。

■アウターケーブルのコーティングがはがれている

自転車ブレーキケーブルアウターコーティング剥がれ

アウターケーブルの表面はグレー又は黒(珍しいタイプだとカラーのものもあります)が使用されていますが、このコーティングが著しく劣化しはがれている、アウターケーブルを形作っている鉄のらせん状の部材が露出してしまっている、また、一部アウターが断線してインナーワイヤーが露出している、といった場合はアウターケーブルとインナーワイヤーを安全のためにも交換してください。

アウター内部がサビたり、劣化していたり、汚れがたまって正常に動いていない場合などもあります。

前ブレーキケーブルを調整するときの例

前ブレーキキャリパーのブレーキ引きしろ調整ネジ部

アウターケーブルの劣化によるコーティングのはがれや外観から確認できるインナーワイヤーにほつれやサビなどがない場合は前ブレーキ場合はケーブルアジャスターネジにて調整も可能です。

ただし、フロントブレーキであれば、ブレーキシューを確認し摩耗がひどい場合はケーブル、ブレーキシューの交換となります。

電動アシスト自転車の後輪側アウターワイヤーはすぐに抜くのはNG

電動アシスト自転車の後輪ブレーキケーブル(アウター&インナーケーブル)の交換作業を行う場合は、アウターワイヤー(インナーワイヤーを含む)をすぐに抜かないように注意しましょう。

電動アシスト自転車は一般自転車と違い各メーカーにより後輪ワイヤーケーブルの通し方が異なり、またバッテリーユニット付近のカバー内側はアウターケーブルを通すため複雑に複数のケーブルと交差していたりします。
そのため、安易に後輪ケーブルを全て抜いてしまうと、新品に交換する時に上手くケーブルが通らなくなります。

後輪ケーブルを交換する時は、先ずは交換するインナーケーブルまたはアウターケーブルを抜いて、次に新品のインナーケーブルまたはアウターケーブルを通してから新品と入れ替えるとスムーズに作業が行えます。

Vブレーキのアウターワイヤーの断面処理

アウターワイヤーは基本的に自転車に合わせて必要な長さに切断して使用します。

ただし、アウターの中には金属製のコイル状の芯などがあるため、ニッパーなどで切断するとコイルの端などが飛び出すことがあります。

当店で作業する場合は、この飛び出し部分は板ヤスリで表面を整えてから交換しています。

断面処理を怠ると、インナー―ワイヤーが断面に引っかかったりしてスムーズにブレーキ作動しなかったり、ブレーキインナーが擦れて削れてしまい断線の原因にもなります。

また、アウターのコイルの部分ではなく、コイルの内側にほどこされたインナーワイヤーすべりをよくする透明なビニールのようなチューブ状のライナー、とよばれる部材の端がペンチでつぶされてこの部分がインナーワイヤーに干渉していることもあります。

その場合は千枚通しなどでライナーの断面を拡げてあげましょう。

まとめ

自転車のブレーキアウターとインナーケーブルの交換は安全に関わるとても重要な部分でもあります。

毎日使用する自転車だけに、安全・安心のためにもブレーキケーブルのトラブルが起きる前に定期的にブレーキアウター&インナーケーブルを交換することをおすすめします。

セルフメンテナンスに自信のない方は、お近くの自転車専門店にご相談のうえ修理依頼されることをおすすめします。

こちらのコスナブログ記事も参照してください。

切れてからでは遅い!自転車ブレーキワイヤー交換

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。