自転車用ディスクブレーキには、メカニカルディスクブレーキ(機械式)ワイヤー引きのタイプと油圧式の2通りがあります。
今回の作業は、マウンテンバイクなどに多く採用されていますシマノ油圧ディスクブレーキのオイル交換(フルード交換)方法とディスクブレーキパッド交換方法も合わせて解説いたします。
作業で使用するのは、ドライバー、ペンチ、トーストラップ、レンチ、六角レンチ、ピストン押し戻し用工具、シマノブリード用スペーサー、シマノブリーディングキット内のオイルファンネル・ブリード排出用チューブ付容器・ブリード用チューブ付注射器、シマノミネラルオイル、イソプロピルアルコールです。
先ずは、古いディスクブレーキパッドを取り外しますのでこのディスクブレーキキャリパー本体の場合、割ピンの先端が曲がっていますので、ペンチ等で真っすぐにして割ピンを引き抜きます。
ディスクブレーキキャリーパー本体を六角レンチを使用して取り外し、割ピンを外したキャリパー本体から古いディスクブレーキバッドを取り外します。
画像を撮るのを忘れてすみません。
油圧ディスクブレーキは、ブレーキパッドが摩耗するにつれ左右のピストンが徐々に押し出され、ディスクブレーキパッドとディスクブレーキローターとの間隔を自動的に調整します。
そのためオイル交換時を含めディスクブレーキパッド交換時には、必ず押し出されたピストンを押し戻す作業を行います。これがピストンのリセット作業です。
ピストンのリセット作業が済んだら、次にブリード用スペーサーを代わりにはめ込み古いピンで仮止めします。
リザーバータンク上部のブリードネジを緩めてシマノブリーディングキットのオイルファンネルを取り付けます。
ディスクブレーキキャリーパー本体のブリードニップルに付いている保護キャップを取り外し、そこへチューブ付オイル排出用の容器をセットして、ブリードニップルをレンチ工具を使用して1/8回転緩めて開き、古いオイルを排出します。
古いオイルが徐々に排出されてきます。かなりオイルが汚れていますね!
古いオイルの排出作業が終えたら、ブリードニップルを一旦絞めてオイル排出用具を取り外します。
ワンポイントアドバイス
オイル排出時に、ホースやディスクブレーキキャリパー本体を軽く叩いたりして振動を与えたり、ブレーキレバーを握りオイル排出を促します。
ブリード用チューブ付注射器にオイルを入れ、チューブをブリードニップルに差し込み、レンチ工具を使用してブリードニップルを1/8回転緩めて開き、注射器内のオイルを注入していきます。
注射器を通して注入されたオイルが、リザーバータンクに取り付けたオイルファンネル内へ徐々に出てきます。
この時気泡が一緒に混じって出てきますので、気泡が混じらなくなるまで注射器でオイルを注入してください。
この作業の時は、気泡が混入するかもしれませんのでブレーキレバーは握らないでください。
オイルファンネルから出るオイルに気泡が混じらなくなったら、一旦ブリードニップルを締めて注射器を外します。
チューブ付オイル排出用の容器をセットして、ブリードニップルをレンチ工具を使用して1/8回転緩めて開きます。
そのままの状態にして、しばらく待つとブリードニップル側からチューブへオイルが流れてきて気泡が抜けてきます。
この作業時に、ホース、リザーバータンク、ディスクブレーキキャリパー本体を軽く叩いたりして振動を与えて残っている気泡を排出してください。
この作業の時は、リザーバタンクに取り付けたオイルファンネルのオイル油面が下がりますので、空気が入らないようにオイルをファンネルに補充して油面を保ってください。
ブリードニップルから出るオイルに気泡が混じらなくなったら、レンチ工具を使用して一旦ブリードニップルを締めます。
ブレーキレバーを握った状態します。店長のわたしは、ペダル用トーストラップを使用して固定します。
他に、太い輪ゴムで何重にして巻く方法や、結束バンド等を使用してもいいかもしれません。
ブレーキレバーを握った状態で、レンチ工具を使用してブリードニップルの開け閉めを瞬間的に行い、ディスクブレーキキャリパー内の気泡を放出します。
この作業を2~3回繰り返し行い、チューブ付排出用の容器を取り外しレンチ工具でブリードニップルを締めます。
この作業の時に、ブレーキレバーを操作すると、ブレーキシステム内に残っている気泡がオイルファンネルに上がってきます。
気泡が出なくなったら、ブレーキレバーの当たりまで握り、正常ならこの状態でブレーキレバーの当たりが出て堅くなります。
ブレーキレバーを水平から30度上向きにセットして、ブレーキレバーを握り気泡が残っていないか確認をします。
次に同じく水平から30度下向きにセットして気泡が残っていないかを確認をします。
オイルファンネルにオイルストッパーで栓をします。
オイルファンネルを外し、ブリードネジを締めつけます。
リザーバータンクに付着した余分なオイルをイソプロピルアルコールを含ませて拭き取ります。
ディスクブレーキパッドも消耗していましたので新しいブレーキパッドに交換します。シマノディスクブレーキキャリパーのモデルに適合するブレーキパッドを使用してください。
ディスクブレーキキャリパーに付いていたブリード用スペーサーを取り外し、新しディスクブレーキパッドを取り付けます。
ブレーキパッを取り付けたら割ピンの先端をペンチ等で曲げて固定します。
ディスクブレーキキャリパー本体を六角レンチで取付ます。この時、ブレーキレバーを握りながら本体を締め付けるとブレーキセンターが出しやすいです。
最後にブレーキパッドがブレーキローターに干渉しないか確認して全ての作業終了です。
油圧ディスクブレーキも定期的にオイル交換とブレーキパッド交換を行って安全に努めてください。
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