小田原の自転車専門店

オフィスの駐車スペースや、遊休地を活用できるキッチンカーの魅力

フードトラックKing

フードトラックについてお聞きする、連載第2回目です。

取材中に雨が降ってきたので、事務所に移動してお話をうかがいます。

今回は、省スペースでの営業をするフードトラックならではの悩みや、

フードトラックの作るコミュニティについて

お聞きします。

第一回はこちらから


フードトラックKing

コスナ 前回まではフードトラックでの営業にまつわるメリットなどをお聞きしていました。

逆に、フードトラックならではの悩みというのはありますか?

塚田さん 天候の問題は大きな悩みです。

店舗でも雨だと客足が遠のくということもあると思いますが、野外に出店するフードトラックは極端に大きな影響を受けます。

コスナ フードトラックで購入したものは屋外で食べることも多いから、確かに買いづらい部分もあるかもしれませんね。

塚田さん 逆もあって。たとえばオフィスビルの駐車スペースなどに出店しているときは、このビルで働く人たちが「雨だから外に行かないで近場で買ってオフィスで食べよう」と、寄ってくれることもあるんです。

ただ、イベントなどの場合は致命的です。

とくに2019年の11月は台風などの発生が多かったので。

コスナ 売り上げが格段に下がるわけですか。

塚田さん いえ、イベント中止の場合はゼロです。なにかの保証などもありませんので。

コスナ そうか。営業しない限り売り上げが発生しないんですね。

天気予報である程度の天候が読めたとしても、ちょっとキツイ部分ですね。

これ、仕込みも相当大変そうな気がしますが…。

フードトラックKing

塚田さん メニュー数によります。フードトラックは専門メニューのお店が多いと思います。

調理器具をたくさん持ち込めないという背景もありますが、仕込みをするものを絞ることで、輸送にかかるコストを抑えるという反面もあります。

実際トラックの中は店舗の調理場にくらべて狭いですから、できる調理にも限りがあります。

そのため、仕込み自体は厨房で行って、揚げる工程をその場でおこないます。

唐揚げは揚げたてのほうがおいしいですから。なかには、ほとんどの調理を仕込みの段階でおこなってしまうところもあるようです。

いずれにしろ、専門メニューの形態をとることは安定的に運営していくのに大切な要素でもあるんです。

コスナ フードトラックならではのスタイルですね。

そうして仕込まれたものを、出店場所で調理されているからか、いつもKingさんのフードトラックに近づくと調理中の香りがして。

お腹が空いてしまいます(笑)。

フードトラックKing
Kingさんの唐揚げ

塚田さん ああいう香りがするのも、フードトラックならではですよね。

実際、風下にいる方がよく買いにきてくれるんです。

海岸でテントを張って営業しているときに風がでてきて、海辺に香りがいくとお客さんがよく来てくれて(笑)。

コスナ (笑)

塚田さん 調理中の音なども間近から聞こえてきますから。

お客さんと調理の場所が近いからこそ、五感にうったえていくような作り方をするのも営業手法の1つだと思います。

見た目からは中で調理していることが想像できないというお客さんもいらっしゃるので「ほんとにここで揚げてるの?」と中をのぞいて行かれる方もいますよ。

コスナ  Kingさんは、味へのこだわりも相当強くお持ちですよね。

塚田さん もちろんです。いい香りでおいしそうな調理をしていても、味がよくなければお客さんのリピートもありませんから。

コスナ 今のメニューの中心は唐揚げですが、最初から決められていたんですか。

フードトラックKing

塚田さん いえ、実は最初はホットドッグのフードトラックにしようと思ったんです。

コスナ そうなんですか。

塚田さん いろいろなパン屋さんに頼んでパンを作ってもらって。

お目当ての味を作るパン屋さんは見つけられたんですが、ソーセージがどうしても…。

コスナ あまりいいソーセージを出すお店さんがなかった。

塚田さん いえ、おいしいソーセージはあるんですが、自分の想像するホットドッグの味を出すソーセージがなくて。

それで唐揚げに行き着きました。

これなら自分の考えるおいしい味を再現できると。

コスナ やわらかくてジューシーで。1つ1つのサイズも大きいですよね。

塚田さん お客さんに唐揚げを手渡すと、想像していたより重たい! と言うお客さんもいます。

コスナ 大ぶりだけれど、大味ではなくて。読者の方にも一回食べてみてほしいですよ。

ちょっと目先は変わりますが、ここまでフードトラックでの省スペースのメリットだったり、営業スタイルについて聞いてきました。

こういう省スペースビジネスをもっと活用できる場所はどのようなところでしょうか。

塚田さん たとえば、オフィスの駐車スペースなどです。

地方であれば、営業車での移動などが多いのでオフィスビルの一角が数台停められるような駐車スペースになっているところがよくあります。

ただ、週末などは会社がお休みで駐車場が遊休地になりますよね。

こういう場所で週末にフードトラックが数台集まるイベントなどを定期的に行ったり、コミュニティ作りができればと考えています。

フードトラックKing

コスナ コミュニティというと、フードトラックのみではなくもっと大きな。

塚田さん そうです。たとえば近隣に住んでいるけれど、あまり交流のなかった人やそこで働く人などと近隣住民の方同士の関係なども含めたコミュニティです。

コスナ たしかに、近くのオフィスビルで働いている人と住民の間で交流があるというのは珍しいですね。

塚田さん フードトラックの出店場所は1対1で話ができる場所なんです。

ある種特殊な空間というか、なかには調理をしている間にお客さんが悩みを相談してくれるときもあります。

コスナ いい空間ですね。おいしいものを食べながら人々が思い思いに時間を過ごす。

塚田さん ほかにも、遠くまで買い物に行くことができない高齢者の方がお総菜代わりに買い物に来てくれたり、楽しみにしてくれたり。

そういう場所を提供していくことが理想です。

コスナ ぜひ、私もお邪魔したい場所です。

お話をうかがっていると、物件や駐車場などを持っているオーナーの方がもっとオープンにフードトラックの運営者と関係を築くことで、さまざまな催しが開けるような気がしてきます。

フードトラックKing

塚田さん そうですね。そういう場所があるとおもしろいですね。

コスナ 若い世代には、お店を持ちたいけれど費用の問題から、なかなか一歩を踏み出せない人もいると思います。

塚田さん そういう方が省スペースな営業スタイルをとることでよりユニークなお店が増えるかもしれません。

お店を持つのに、店舗や内装、調理器具や冷蔵庫など、業務用の物品などをそろえるのに1,000万円近くかかることもあります。

フードトラックであれば200万円少しで、とりあえずお客さんとのつながりを持つことができます。

また、なかにはフードトラックを自分で作ってしまう人もいるくらいで。

そうすると100万円くらいでお店を持てることになります。

やり方はいろいろありますが、そういう情報を共有しやすいのもまたフードトラックならではの関係です。

ほとんどのフードトラックの運営者はオープンな性格の人が多いので。

費用の問題でなかなか一歩が踏み出せないようであれば、省スペースの営業を視野に入れてみるといいかもしれません。

コスナ 多くの可能性が見えてくるようなお話でした。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

 

店舗や事務所を持つ、というのは一昔前までビジネスの基本でした。

現在では、もっと多様な形が存在するようになっています。

フードトラックKingさんのように、省スペースビジネスに転換することで、より広い人とのかかわりや、新しい視点が見えてくるかもしれません。

もしも少しでも土地が空いているならば、そこでフードトラックの皆さんと一緒に催しものを開くことで、また新たな展開が開けていくことも。

とりあえず、今日の晩ご飯用にKingさんの唐揚げを買ってきます!

今日はここまで! 皆さんも、ぜひ!

フードトラックKingさんの出店情報などはコチラから。