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【完全ガイド】シマノローラーブレーキの仕組みと音鳴り対策:正しいグリスアップ方法

シマノローラーブレーキ純正グリス100g

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ブレーキの音鳴り「キーッ」をなくす整備のポイント

この記事は、2025年10月23日に追記・更新しました。
「【完全ガイド】シマノローラーブレーキの仕組みと音鳴り対策:正しいグリスアップ方法」について反映しています。

朝の通勤中、ブレーキをかけるたびに「キーッ」と鳴る。
ほんの一瞬でも、あの音が気になりますよね。

静かに気持ちよく走りたいのに、ちょっとした音がストレスになる。
そんなときこそ、ブレーキの中身を少し知っておくと安心です。

ローラーブレーキは「静かでメンテナンスが楽」といわれていますが、音鳴りが起こることもあります。

この記事では、シマノ製ローラーブレーキの構造、音鳴りの原因、正しいグリスアップ方法をわかりやすく紹介します。
仕組みを知れば、気になる音も防げて、ブレーキの効きも長持ちします。

ローラーブレーキとは?仕組みと特徴をやさしく解説

一般的なブレーキとの違い

シティサイクル(ママチャリなど)の後輪ブレーキには、主に3種類あります。

バンドブレーキ(低価格帯に多い)サーボブレーキ(消音タイプ)、そしてローラーブレーキです。

スポーツバイクではリムブレーキディスクブレーキが主流。

通勤用のクロスバイクコンフォートモデルの一部には、静音性を重視してローラーブレーキが採用されています。

ローラーブレーキは、内部で制動が完結する密閉構造タイプ

雨や泥の影響を受けにくく、安定したブレーキ力を保てるのが特徴です。
日常の街乗りにはとても扱いやすいブレーキです。

ローラーブレーキの内部構造

ブレーキレバーを握ると、ワイヤーが引かれてカムが回転し、ローラーが外側へ押し出されます。

そのローラーがドラムを押さえて摩擦を生み、ホイールを止めます。

この摩擦をうまくコントロールするのが、専用グリスの役割。

潤滑と冷却を両立させることで、静かで安定した制動を実現しています。

高い制動力と安定性

シマノのローラーブレーキは、耐久性と静音性を両立させた独自設計が魅力です。

専用グリスによって金属摩擦を緩和し、制動時の熱を効率よく逃がす「放熱フィン構造」を採用しています。

また、急ブレーキをかけた際の制動力の変化が少なく、一定のブレーキ感覚を維持できるため、安全性も高いです。

これは、特に交通量の多い都市部での使用や雨天時の走行時に有効です。

音鳴りの原因とは?内部からわかるトラブルの正体

金属摩擦・グリス劣化・内部摩耗の3つの要因

ローラーブレーキの音鳴りは、いくつかの原因が重なって起こります。
主な原因はこの3つです。

  1. グリスの劣化や不足による金属摩擦
  2. 内部ローラーやカムの摩耗による制動力の低下
  3. 内部の汚れなどによる摩擦バランスの崩れ

グリスが乾くと金属が直接擦れて「キーッ」という音が出やすくなります。

また、パーツが摩耗してくると「ゴロゴロ」「カチカチ」といった異音になることもあります。

音の種類と対処法

・「キーッ」→ グリス不足。専用グリスの注入で改善。
・「ゴロゴロ」→ 内部摩耗または汚れ。整備店でのメンテナンスが必要。
・「カチカチ」→ ユニット固定部の緩み。フレームとの締結をチェック。

異音は、ブレーキからの「サイン」です。
早めにケアすることで、大きなトラブルを防げます。

放っておくとどうなる?

音鳴りを放置すると、摩擦熱でグリスがさらに劣化し、金属が摩耗していきます。

その結果、制動力が落ちたり、最悪の場合はドラム内部が焼き付いたりします。

「おかしいな」と思ったら、早めの整備がおすすめです。

シマノ純正グリスの重要性と選び方

高い耐熱性と耐摩耗性

シマノローラーブレーキ専用グリスは、高い耐熱性を持っています。

これは、ブレーキの使用時に発生する摩擦熱に対してもグリスが変質しにくいという特性を意味します。

また、耐摩耗性も優れているため、ブレーキの内部部品を長期間にわたって保護し、滑らかな動作を確保します。

汎用品や代用品を使うリスク

代用品グリスは、温度変化や摩擦特性が合わず、音鳴りの再発や制動低下を招く恐れがあります。

シマノ純正ローラーブレーキグリス

シマノ純正ローラーブレーキグリスの写真
静音と耐久性を両立させる、シマノ純正ローラーブレーキグリス。

ブレーキ内部の摩擦を最適に保ち、異音を防ぐために欠かせない専用アイテムです。

ローラーブレーキの性能は、グリスの品質で大きく変わります。

シマノ純正グリスは、高温時の潤滑性と冷却性を両立させるよう設計されており、
他の一般グリスとは粘度・耐熱・添加剤成分がまったく異なります。

推奨されるのは「シマノ純正ローラーブレーキグリス(Y04120400)」です。

正しいグリスアップ方法:手順・頻度・注意点

必要な工具と準備

シマノローラーブレーキ純正グリス100g
純正のシマノローラーブレーキ専用グリスを用意します。

音鳴りや制動不安を防ぐには、この専用グリスを定期的に補充するのが基本です。

  • シマノ純正グリス
  • ウエス(布)
  • 手袋

作業前に車体を安定させます。

グリス注入口の位置確認

シマノローラーブレーキグリス穴キャップを指で指している
ローラーブレーキ本体のグリス穴の黒いキャップを外します。

先ず最初に、ローラーブレーキ本体の黒いキャップ(グリス穴キャップ)を取り外します。

指で取り外しにくい時は、小さめなマイナスドライバーを使うと外しやすいです。

取り外した黒いキャップは小さいので失くさないようい気を付けてください。

専用グリスを本体に注入

シマノローラーブレーキに専用グリスを注入
ローラーブレーキグリスを本体に注入します。

ここにノズルを差し込み、車輪をゆっくり回転(ペダルを漕ぐ方向に)させながら適量5gを注入します。

入れすぎは逆に抵抗を増やすため注意。

グリスアップ後の試走チェックポイント

グリスを入れた後は数回ブレーキをかけながら、ローラーを均等に動かします。

異音が収まり、ブレーキの効きが滑らかになっていれば成功です。

長く静かに使うためのメンテナンス習慣

点検サイクルとグリス補充の目安

一般的には1〜2年に一度のグリスアップが推奨されています。

日常的に坂道や雨天を走る場合は、半年〜1年での点検が安心です。

雨天走行・長期保管時のケア方法

雨天時は走行後に軽くブレーキをかけ、内部の水分を飛ばすようにしましょう。

長期保管する場合は、湿気の少ない場所に置き、ホイールを時々回してグリスを偏らせないのがコツです。

セルフ整備に不安な方は自転車専門店へ

基本的なグリスアップはセルフでも可能ですが、異音が再発した場合や回転に違和感があるときは、お買い上げ店またはお近くの自転車専門店に依頼するのが安全です。

よくある質問(FAQ)

Q1. グリスアップはどれくらいの頻度で行えばいいですか?

走行距離や環境にもよりますが、1〜2年に1回が目安です。

坂道や雨の多い地域なら、1年に1回のメンテナンスが理想です。

音が増えたり、ブレーキが重く感じたりしたら、グリスアップのサインです。

Q2. 普通のグリスでも使えますか?

使えません。

必ずシマノ純正ローラーブレーキグリスを使ってください。

一般的なグリスでは潤滑や耐熱性能が足りず、摩耗や焼き付きの原因になります。

また、ローラーブレーキの内部にオイルやスプレータイプの潤滑剤を注油するのはNGです。

潤滑どころかグリスを流してしまい、かえって異音や故障の原因になります。

注油の判断を誤ると危険なパーツもあるので、
メンテナンスの前にこちらの記事も参考にしてください。

自転車に注油してはいけない場所5選|事故を防ぐ正しいメンテナンス知識

Q3. ブレーキから「ゴロゴロ」や「カチカチ」と音がするのは故障ですか?

必ずしも故障ではありませんが、グリス不足や内部摩耗のサインです。

グリスアップで改善しない場合は、整備店で点検を受けてください。

まとめ:静かなブレーキで、快適な毎日を

ブレーキの音は、自転車が「そろそろメンテナンスしてください。」と伝えているサインです。

小さな音のうちに整備すれば、長く快適に走れます。

静かなブレーキで、毎日の通勤や買い物をもっと気持ちよく。

ブレーキ整備の次は、ブレーキの使い方そのものも見直してみましょう。

しっかり止まるコツや前後ブレーキのバランスを知っておくことで、
より安全でスムーズな走りができます。

知っているようで知らない「正しい自転車ブレーキのかけ方」一般自転車編

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」「BAAアドバイザー」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったライトスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。