
お客様から自転車に乗っているとハンドルが片側にとられてふらつき安定しないとのことで修理依頼を受けました。
状況確認をして直ぐにその原因は判明。
前車輪を支えているフロントフォークが手前側に押され曲がっていました。
通常ならフロント泥除けと車体下部との間に指2本分ぐらいのクリアランスがあるのですが、この画像を見てお分かりの通り指が1本分のクリアランスしかありません。
これは前側から何らかの強い衝撃を受けて、フロントフォークが車のダンパーのような役目をして乗車している人の衝撃を和らげた結果フロントフォークが曲がってしまったのが原因です。
お客様にお尋ねしましたら、先日自身のミスでハンドル操作を誤り壁にぶつかったとこと。
早速メーカー品番から同じカラーのフロントフォークが到着したのでパナソニック電動アシスト自転車「ビビDX」用フロントフォーク交換作業に入ります。

ハンドルステムのネジを六角レンチ工具で緩めます。
ハンドルステムの固定は内部にウス状の金具がありそれが締め付けられて固定しますので、場合によっては固着してステムの頭ネジを緩めただけでは抜けない時もありますので、その時はネジをある程度緩めた状態で工具の受けからハンマー等で叩いてネジを下側に落とすと緩み外れます。

ヘッドセットのネジの組付け順番を間違えないよう覚えてから取外し作業に入ってください。

32㎜レンチでヘッドセット上部のナットを緩めます。

ナットに溝に専用工具で挟み込みネジを緩めます。

バスケットブラケットを取外し、ハンドル固定用金具(スタピタ用)を抜き取ります。

ヘッドセット上部のベアリング受け金具の取外しにはこちらの専用工具を使います。

専用工具をベアリング調整ネジに取付モンキーレンチ工具で緩めて取り外します。

上側のベアリングが見えてこれで先ずはヘッドセット上部の取外しができました。

前輪のハブ軸ナットをレンチ工具を使用して左右緩めます。

今回交換する電動アシスト自転車ビビDX用同カラーのフロントフォークです。

新しいフロントフォークを車体ヘッドチューブに通し、上下ベアリングにグリスアップをして再組付けします。

新しいフロントフォークに前ブレーキ本体を取付します。
この時の注意点として、スペーサーはアール型になっている方が車体側にフィットするように合わせて組み付けします。

スタピタ用金具をはめ込みますが、この時ストッパー下側の突起部分と金具の円部分がかみ合うように位置を合わせてはめ込みます。

ヘッドカバー一部がフラットになっていますのでネジ部分と合わせ被せます。

ヘッドセットのネジを最初の順番通りに固定して最上部をレンチ工具で固定します。

ハンドルステムを取り付ける時は、サビ防止と固着防止の役目などのためにグリスを下部側に塗布してから組付けます。

電動アシスト自転車用フロントセンサーコードを専用クリップで2ヶ所固定します。

前輪ハブ軸ナット左右をレンチ工具を使用して均等に固定します。

これでパナソニック電動アシスト自転車フロントフォーク交換作業の完了です。
先程曲がったしまったフロントフォークは指1本分のスペースしかありませんでしたが、これで通常の指2本分のクリアランスも確保でき安定して走行ができます。
自転車フロントフォークが曲がった状態のまま乗っていますと大変危険です。
乗車していて、ハンドルがふらつく・ハンドルが左右どちらかにとられる・このような感覚を感じたら一度お近くの自転車専門店にご相談してみてください。
こちらのコスナブログ記事も関連記事ですので参照ください。
ハンドル操作がふらつく時は、自転車フロントフォークの歪みが原因かも!
