前回のコスナブログで情報発信させていただきました、
【重要なお知らせ】ミヤタサイクルのステンレス製リム採用軽快車モデルご使用のお客様へ
こちらでお知らせしています通り、株式会社ミヤタサイクルが製造した2017年モデル~2021年モデルの一部、自転車の車輪「ステンレス製リム」について、現在無料で安全点検・部品交換を実施しています。
2016年12月から2020年12月に製造された一部ステンレス製リムの溶接部に異常が発見された場合はお客様の負担は無く無料で部品交換となります。
今回、安全点検で異常が発見されたステンレス製リムです。
リム内側に刻印されていますロット番号が対象商品であり、リム溶接部にも線状のサビがみられました。
その他異常としては線状のヘコミ、線状のひびわれも見られます。
詳しくは、「ミヤタサイクル重要なお知らせ」こちらへ
今回のリム組み換え交換作業は、例え前輪または後輪どちらか片方だけ異常が発見された場合であっても該当自転車については、ミヤタサイクルでは全て前後輪ともリム交換作業を行うようになっています。
そのため作業全て店長の私が1本1本手組みによりホイール組み換え作業を行っています。
先ずは、該当自転車の後輪を車体から取り外して作業を進めていきます。
車体から後輪を取り外した状態です。
今回はベルトドライブ仕様の自転車です。
ベルトドライブ仕様のタイヤチューブ交換作業についてはこちらのコスナブログ記事を参照してください。
内装3段付ベルトドライブ自転車の後輪タイヤチューブ交換方法「前編」
プロが教える!内装3段変速付ベルトドライブ自転車の後輪タイヤチューブ交換方法「後編」
車体から取り外した車輪からタイヤチューブも取り外します。
異常が発見された車輪から後輪ハブ本体、ステンレス製リム、スポーク全て取り外しバラの状態にします。
これから、手組みによるホイール組み換え作業を行います。
先ずは交換する新品のステンレス製リムにはホログラムのステッカーが貼付されています。
新品のスポークセット(二ツプル付き)、後輪ハブは既存の商品を使用します。
スポーク1本1本にネジ山が少し見える程度にニップルをネジ込んでおきます。
後輪ハブのスポーク通し方法には、引っ掛け式と通し式の2種類あります。
今回使用する後輪ハブは引っ掛け式になります。
リム本体の穴に先ほどニップルをねじ込んだスポークを1本1本通します。
リムの穴36個全てにスポークを通し、リム刻印向き、後輪ハブのネーム位置合わせを確認してから車輪の仮組み作業に入ります。
リムに通したスポークと後輪ハブ本体の引っ掛け穴にかけて仮組み作業をしていきます。
スポークはバルブ穴を中心として6本交差で仮組していきます。
仮組みが出来たところで、次はホイールバランス調整作業に入ります。
自転車専用ホイール振れ取り台とホイールセンターゲージ、スポークテンションメーター、ニップル回し
ホイール振れ取り台はかなり年季が入っていますが、コスナサイクルで代々使い続けている専用振れ取り台です。
これがわたしには一番使いやすく手に馴染む専用工具のひとつです。
代々受け継がれる【自転車ヴィンテージ工具】は昭和の自転車を支え今でも現役で使っています
仮組みした車輪の二ツプル部分を先ずは、スポークのネジ山が隠れるくらい全てねじ込んでいきます。
ニップルをネジ山が隠れるくらいねじ込んだら、ニップル回し工具を使いスポークを1本1本均等に締めこんでいきます。
スポークを締めこみながらリムの横振れと縦振れを調整しながらホイールの振れ精度を徐々に高めていきます。
自転車ホイールセンターゲージ工具を使用して後輪ハブ左右のセンター位置も確認しながらホイールバランス調整作業を行います。
途中何度かスポークテンションメーターでスポーク1本1本テンションバランスを確認しながら同時にホイールバランス調整作業を行います。
ホイール全体のなじみを出すために交差するスポークを握り全体的な馴染み作業を行います。
車輪を振れ取り台から外し、地面に置いて同じようにホイールのなじみ作業を行います。
この画像では、私ひとりのため写真撮影で片手だけになっていますが、本来は両手でしっかり押さえながら行います。
リム両サイドをもって下に押し付けるように上下ともなじみ作業を行います。
なじみ作業の後、最後にホイールバランスの縦振れ・横振れの微調整作業と確認を行います。
これで、ようやく後輪の手組みによるホイール組み換え作業の完成です。
完成した手組みホイールにタイヤチューブを取り付け、車体に後輪を取り付ければ後輪ホイール組み換え作業の完了です。
前輪も、後輪と同じように一旦車輪の状態から全てバラしてから、新品にリムとスポーク、既存のフロントハブを使用して手組みによるホイール組み換え作業を行って行きます。
前輪のハブは、通し穴タイプなので、フロントハブのスポーク穴に左右交互向きになるようスポークを全て通しておきます。
先程と同じようにリムのバルブ穴を中心として6本交差しながら順番にリムに仮組みしていきます。
後輪と同じように専用振れ取り台にセットしてホイールの横振れ、縦振れ、リムセンターゲージでセンター確認をしながらスポークテンションメーター工具を使用してテンションバランス調整作業も同時に行いホイール手組み作業を行います。
ホイールのなじみを後輪と同じようにとりこれで、手組みによる前輪の組み換え作業が完成です。
後は、前輪のタイヤチューブを取り付け車体に組付け最終の安全確認を行い全ての作業の完了となります。
今回のステンレス製リムの安全点検・部品交換は調べてみますと、株式会社ミヤタサイクルだけでなく当店取り扱いブランドでは無いですがブリヂストン自転車についても同様の安全点検・部品交換のお知らせが2022年7月15日付で告知されていました。
ブリヂストン自転車についてこちら「重要なお知らせ」へ
安全のためにも先ずはセルフチェックでステンレス製リムの安全点検を行い、ご不明な点はお買い上げ店舗様へご相談またはメーカーの専用コールセンターへお問い合わせくださいませ。