小田原の自転車専門店

最近の自転車ほど、より丁寧な修理を必要としています

前輪修理作業工程

こんにちは、コスナサイクル店長の小砂です。

本日は修理ノウハウや商品紹介、ではなくて、少し、最近の自転車についてのお話を。

コスナサイクル

日々、修理や調整、クリーニングのために、さまざまな自転車をお持ち込みいただいています(いつもありがとうございます)。

自然と、多くのデザイン、幅広い年式、また、他店購入車や修理車にも触れていきます。

そうして、自分自身の知識も大きく広がっていくのですが、そんな中で、自転車屋サイドとお客様との間に、大きな認識のズレがあることに気づきました。

それは、自転車の修理方法は、1つではない、という点においてです。

コスナサイクル

多くのお客様が、自転車修理でA店、B店、C店のいずれかにお持ち込みをいただく場合、それぞれのお店にて、同じ修理方法を施すと考えられています。

これ、実を言えばかなり違います。

実際には、A店、B店、C店それぞれで、使用するパーツ(タイヤやワイヤーなど)、使用するケミカル(オイルやグリスなど)、修理手順、修理後の調整方法など、まったくちがう工程を経ることがほとんどなんです。

結果として、同じような見た目に仕上がりはしますが、中身はまるでちがうのです。

そのため、修理・調整後の性能や、次の修理までの“もち”、ほかのパーツへの影響が悪いものか・いいものかなど、さまざまな部分で違いがでてきます。

もちろん、それぞれの金額に違いが出てくるのもこのためです。

コスナにお持ち込みいただく際に、中には、他店よりも高い、とお話をいただくこともあります。

そこで、お持ちいただいた自転車の該当箇所を拝見すると、コスナで使用する補修パーツよりも、ずっと金額の安い部材が使用されていることもあります。

どちらが長く、安全に使用できるのか、また、性能差はどうか、次に交換・修理が発生するまでのもちはどうか、という部分は、実は外的要因も加わるのでコスナの方法が最適解である、とは必ずしも断言はできません。

ただし、確率的に言っても、どちらかと聞かれれば、答えは決まっています。

なぜ、コスナサイクルでは時間も手間もかかる方法を採用するのか

コスナサイクル

「修理価格を優先するためには、安いパーツで、手間のかからない修理をすればいいじゃないか」。ごもっともです。

使用する補修パーツやグリスなどのケミカル製品を安くし、もっと手軽に修理できる方法をとれば、修理金額を安くすることは可能です。

ただ、少し前の自転車であったならばそのように対応できるものもあったのですが、今は、状況が少し変わってきています。

どういうことかというと、自転車やパーツ自体が変化しているからです。

 

おおよそ10年ほど前から、各社が製造する自転車のクオリティには少しずつ変化が加えられています。

技術的な向上ももちろんありますが、よい方向へ、ではなく、比較的、下へ変化しているものも多いのです。

原料や経済状況、人件費が高価格化する中で、苦渋の決断を迫られている部分もあるのだと思います。

また、自転車には科学薬品がよく使用されますが、コーティングの下地などに使用されるものは、環境汚染への配慮から以前よりも効力の薄いものを使用していることもあるようです(これに関しては、環境配慮を優先すべきです)。

もっと根本のお話をするならば、自転車本体や細かなパーツにいたるまで、自転車にかかわるさまざまなものを、製造する国自体が変わっているという背景もあります。

こういったさまざまな要素が影響して、10年前の自転車と、現在の自転車の同じモデルの後継機を比べると、現行モデルはより気をつかった修理をしてあげなければ、より長く安全に使用することができなくなってきました。

コスナサイクル

よく話にあがるのは、バック拡げという工具のこと。

この工具は、後輪のフレームに万力の逆のような原理で力をかけ、自転車のフレームを一時的にへし曲げることで、後輪のタイヤチューブをすばやく交換するのに使用します。

先述の通り、10年ほど前の自転車修理では、そこまで大きな問題ではなく、むしろ一般的な修理方法でした。

では、現在はどうかというと、品質の落ちた自転車では一時的な曲がりが治らず、数年後に後輪にズレが生じたり、フレームのバランスが悪くなったり、そもそも、タイヤとフレームの間に隙間ができてしまうようになりました。

コスナではこの事態を加味して、バック拡げを使用せず、手間と時間のかかる方法ながら、後輪の組み付けを一度完全に取り外し、タイヤチューブを交換するようにしています。

そして、他店修理でお持ち込みいただく自転車の多くは、バック拡げを使用した痕跡のあるものも多くあります。

 

以上の内容は後輪にかかわる部分でしたが、ブレーキや、ハンドル、ペダルといった部分にも、同じような事態が多々あります。

安いパーツを使用することで、1年ほど経過した時点で不具合がでたり、数年後にほかの箇所も一緒に交換しなければいけなくなったりと、今すぐではなく、しばらくしてから影響があるんです。

 

だからこそ、コスナサイクルでは“今”時間のかかる作業を進んで行います。

自転車の状況が変わっているならば、私たち自身も変わるべきであると考えているからです。

“すぐ先の未来”のために、安くて早い修理をご提供するのではなく、“たとえ10年経っても”変わらず安全で快適に乗れる自転車をご提供するために。

修理のご相談は、他店購入車でもかまいません。

その1台があなたのよきパートナーとなれるよう。

これからも、コスナサイクルは変わり続けていきます。

こちらのコスナブログ記事を参照してください。

小田原で自転車のパンク修理ならコスナサイクルへ一度ご来店してみてください