小田原の自転車専門店

【自転車店目線で解説する】電動アシスト自転車を購入するときと、購入した後に気をつけてほしいこと

電動アシスト自転車 買い方

こんにちは、コスナブログ編集部です。

電動アシスト自転車はいまや生活の足としてなくてはならない存在となってきました。

特に子育て世代の親御さんや高齢者の方の中には、体への負担の少なさを経験し「もう一般自転車には戻れない!」と話す方もいらっしゃいます。

そんな電動アシスト自転車、コスナサイクルにも多くの修理依頼をいただきますが中には残念ながら修理不可、という車両も存在します。

この修理不可、なにもコスナ店長が修理に関する力や知識が不足しているから、とか、そういうものではないのです。

おそらく、全国どこの自転車店でも同じく修理不可となってしまうもの。

購入後に修理不可となるようなエラーが発生しないように、購入の際の注意点と購入後の注意点を自転車店目線でご紹介します。

代替パーツが手に入るか(購入前の注意点)

電動アシスト自転車は、一見すると一般自転車と同じ部分が多く電動パーツはコンパクトにまとまっています。

そのため自転車なら単純構造なのだから、ほとんど直せるだろうと思われる方がいらっしゃるようです。

しかし、実際には家電に近い商品です。

「電子レンジが壊れたので、マイクロ波の発生装置を直してください」と依頼されてその場でバラして調整することで直すことのできる電気屋さんはほとんどいないですよね。

それと同じです。

電動アシスト自転車の“自転車の部分”については、かなり細かな部分まで修理できるのですが、モーター内部、バッテリー内部については内部を開けて修理や交換を行うとメーカーの保証対象外となることもあります。

そのためこういった電子部品は交換修理が基本です。

この交換修理の際に修理不可となることが多いのです。特に、廉価なメーカーで。

そもそも電動アシスト自転車の電動ユニットはメーカーごとに構造や仕様がことなります。

いくつかのメーカーは技術提供を受けて同じものを使用していることもありますが、最近では大分少なくなりました。

そのため、メーカーを飛び越えるようなパーツの互換性がほとんどありません。

自転車店というのは取り扱いできるメーカーがそれぞれちがいます。

たとえば、Aというメーカーは取り扱っていても、Bというメーカーを取り扱っていなかった場合、後者の電子パーツの交換修理は対応できなくなります。

一般自転車では、メーカーAもメーカーBも共通の(主にSHIMANO)パーツを使用していることが多いため、自転車店側がSHIMANOと取引があればA、Bどちらの修理でも可能な場合が多いでしょう。

しかし、電動ユニットは独自のものを使用しているために、同じようにはいきません。

一般自転車の修理の際にメーカー関係なく対応してもらえていたために電動アシスト自転車でも同じだと思われるようですが、実は違うのです。

電動ユニットの修理が必要な場合には、電動アシスト自転車自体が動かなくなってしまうことが多いでしょう。

そのため、お近くの自転車屋さんまで、30Kg近い重い車体を押して行くことを考え、近隣の自転車店の取り扱いメーカーの中から選択されることも重要な検討事項になるでしょう。

バッテリー容量は最大での購入をオススメ(購入前の注意点)

電動アシスト自転車のバッテリーにはリチウムイオン電池が使用されています。

以前はニッケル水素電池を使用したものもありましたが、大容量で軽量化が図れることなどから前者が主流となっています。

このリチウムイオン電池は、スマートフォンやタブレット、ラップトップなどにも使用されていますよね。

こんな経験はないでしょうか。

「購入から3年ほど経過したらスマホやタブレットの電池が1日持たなくなった。」

「充電回数を重ねていくとバッテリーの容量が減るという特集を見かけた」

これ、すべてそのまま電動アシスト自転車でも発生します。

国内電動アシスト自転車大手のパナソニックでは、充電回数や駐輪環境における寒暖差などにもよりますが、電動アシスト自転車のバッテリーの寿命を2〜5年としています(参考サイトはこちら)。

実際には5年以上使用している方もいますが、やはり最大容量は少なくなっていて、走行可能な距離がかなり短いです。場合によっては、駅から自宅までの往復だけで毎回充電作業を挟まなければいくなくなることも。

当店の経験からいって4年ほどで最大容量の半分ほどになるのが平均値ではないかと思います。

電動アシスト自転車の容量はAh(アンペア)と表記されることが多いので、アンペア表記を用いて仮の数値を基に解説します(※走行可能距離に関しては分かりやすいようにキリのいい数字で設定しています。実際のAhと距離の関係生を示す数値ではありません)

さきほどの4年で半分に減るということは、

電動アシスト自転車 買い方

16Ahのバッテリー【60km走行可能な場合】→(4年後)8Ahのバッテリー【30Km走行可能】

になるということです。

ここに、かしこい電動アシスト自転車購入のヒントがあります。

電動アシスト自転車のバッテリー容量にはいくつか種類があります。現在の市場では16Ahのほかに、12Ah、8Ah、という容量が多いですね。

もう少し細かく15.7Ah、なんていうバッテリーのメーカーさんもいらっしゃいます。

バッテリーはそれぞれ交換用のものが用意されています。

16Ahの交換用バッテリーはおおむね4万5千円前後です。

8Ahの交換用バッテリーはおおむね3万5千円前後です。

16Ahバッテリー搭載の電動アシスト自転車が13万円、8Ahの電動アシスト自転車が9万円だったとします。

差額は4万円です。

初期購入金額はかなり抑えられましたが、数年後を考えてみましょう。

4年程度で最大容量が半分になります。8Ahのバッテリーでは半分だと4Ahが最大容量です。

4Ahだと上記の数値を基にするならば、走行可能な距離は15Km、つまり、15Km使用するごとに充電しなくてはいけません。

既に記述しましたが、充電回数が多くなれば多くなるほど、バッテリーの最大容量が減っていくのです。

また、充電回数の増加と年数の経過の相乗効果で、バッテリーがどんどん劣化していきます。

そして交換バッテリーを購入することになるのですが、今度は経年劣化により自転車自体の修理費用などもかさんできます…。

以上のことから、コスナサイクルでは初期購入時のバッテリーはなるべく一番大きいものをオススメしています。

一般自転車よりもトルクが強いため、乗り方で注意することがある(購入後の注意点)

電動アシスト自転車には、乗り方にも注意が必要です。

これは本来であれば自転車店がお客さまに説明するべきことではありますが「説明書などに記載されているので、こちらをお読み下さい」とご案内するだけでも悪いことではありません。

問題は、この後に説明書を読む人が少ないということです。

一般自転車は人力で駆動します。ご自身の足に伝わる感覚が素直なため、何か異常があってもすぐに気づくことも多いですよね。

しかし、電動アシスト自転車の場合は多少無理はあっても、電気の力で動いてしまうためになかなか異常に気づかないのです。

よくあるのは変速ギヤを動かさないこと。

1〜3段のギヤが付属していることが多いですが、一番スピードの出る3段目にしたまま走行している人が非常に多いです。

坂道などでは3段目だとトルクがかかりすぎ、負担が過度になることによりチェーンやスプロケット(チェーンを補助する歯車)の摩耗を早めてしまいます。

摩耗すると力が伝わりにくくなることで漕ぐ力を余計に必要とするだけではなく、走行中にチェーンが外れてしまったりもします。

坂道では1段目、平坦な道では2段、3段という使い分けをしましょう。

そして、この使い方についても説明書に記載されています。

ちなみに、自転車屋さんで説明を受けた、ということは少ないようです。

コスナサイクルでは毎回ご説明しています。

電動アシスト自転車も買い替え時期があります(購入後の注意点)

ここまで解説してきたように、電動アシスト自転車は便利な乗り物である反面、一般自転車よりも気をつけなければいけないことが多くなります。

電動アシスト自転車は安くても9万8千円前後、チャイルドシート搭載車では15万円以上から19万円ぐらいします。

一般自転車よりも高価なため、一度購入したらずっと同じ車両に乗りたいという希望をいただくこともあります。

しかし、一般自転車と同じように電動アシスト自転車も買い換え時期があります。

通常は購入から7〜8年程度が買い替え時です。

メーカーが使用パーツの代替品の製造をやめてしまうからです。

当店では、6〜7年程度使用した電動アシスト自転車であれば、大きな交換修理が発生した際に修理をせずに買い替えを選ぶ、という選択肢をご提案することもあります。

自転車は電動アシスト自転車も、一般車も含めて工業製品の集合体です。

そのために各メーカーのパーツ製造のおおまかな状況も把握していれば、今修理することで何年後くらいで修理不能(もしくはユニット全体を交換する必要が発生し再び大きな費用がかかる)となるか分かります。

現在はそこまでの提供ができていない自転車店も多く、当店に持ち込んでいただいた段階でメーカーにパーツのストックがないということもしばしば。

大きな費用をかけたのに1年後には買い替えではちょっともったいないですよね。

自転車の修理は現状への対応だけではなく、将来的な修理需要までを検討して初めて正しく実施できます。

電動アシスト自転車の電子パーツなどの製造は特にこのタイミングが大切になります。

将来的に買い替えを行わなければいけない、ということも念頭に購入する電動アシスト自転車の費用について考えてみてください。

ご自身で購入を考えるのは結構むずかしい

とは言っても、上記のことをふまえてどの電動アシスト自転車を購入するか検討するのは難しいと思います。

メーカーのモデル間のパーツ構成には上位クラスのものを単品購入すると総額を超えてしまうような、初期構成こそお得なモデルもあります。

これらすべてを把握するのは普段から自転車によく触れている人でも難しいでしょう。

オススメは、やはり専門店へ相談することです。

それではコスナサイクルへ! いえいえ、何店か回ってみてください。

自転車は電動アシスト自転車から子供車まで、すべて組み立て作業のやり方がお店によってちがうのです。

中にはこの組み立てを簡素化してほかよりお安くしているところもあります。

長く乗る予定もないのでとにかく安く購入したい、という人にコスナサイクルの電動アシスト自転車はオススメできません。

なぜなら、当店では圧倒的に丁寧な組み立て作業をおこなっているからです。

そのために、過度なお値引きなどは対応できません。

いくつかお店を回っていただき、ここなら、というお店で購入していただくのが、長く乗る自転車には必要な要素です。

また、解説した通り修理の際を考えると、動かなくなってしまった自転車を持って行ける距離のお店を選ぶ、というのも大切な要素です。

もちろん、コスナサイクルにご来店いただければ、電動アシスト自転車のモデルや乗り方などご説明します(修理や新車についてのお問い合わせを多数いただいているため、事前にお電話にてご来店日時をご予約いただけると幸いです)。

それでは、電動アシスト自転車購入の参考としてみてくださいね。