自転車ホイール組みにも2通りありまして、ロードバイクなどのスポーツモデルでは圧倒的に完組と言われる完成ホイールが主流で数多くのモデルが発売されています。
もうひとつが、競輪選手なども使用する手組みホイールと言われる人の手によりホイールを組み立てるモデルです。
一般自転車など完成車自転車に使用されるホイール(車輪)は、工場などで機械により組立られてきます。
自転車の手組みホイールには、長年培った熟練の技と感覚それと専用工具などを駆使して1本のホイールが完成します。
今回のお客様のご依頼は、一般自転車の後輪ホイールを曲げてしまったので、新たに自転車ホイールを手組で行いました。
新品のリムとスポークとニップルを用意して、先ずは、後輪ハブ本体に空いている穴にスポーク(細い棒のようなもの」を通しておきます。でも、ただ穴にスポークを通せば良いのかと言うとそうでななく・・・!?
スポークの交差の向きにより合わせてスポークをハブ穴に通します。
使用するリムのネームロゴの位置を確認します。この場合は「ARAYA」の文字位置です。
コスナサイクルでは、このロゴ「ARAYA」文字が自転車に組付けた時に、自転車本体の右側から読める位置に合わせて組み上げます。
後輪ハブ本体の文字は、更に位置にこだわります!
後輪ハブの文字は組付けた時にこのように真上に来た時読めるように合わせ、
更に、リムの位置もバルブ口金の穴の位置がちょうど真下に来るように2つの部品の位置を揃えます!
後ほど、そのこだわりの組立を画像で確認できます!
スポークの交差にも色々あります。
今回は一般自転車通常の36本穴ですので、6本交差でJIS(ジス)組で行います。
スポーツモデルなど用途によっては交差を変えてイタリア組みと言う交差方法で組み立てることもあります。
片側が仮組みできましたので、次は反対側を仮組していきます。
これで自転車ホイールの仮組ができました。
これからいよいよホイールバランス作業に入ります。
ホイール組立専用の振れ取り台に車輪をセットします。
この振れ取り台見てお分かりかと思いますが、かなり年季が入っていまして、先代の父から受け継いで使い続けている専門工具のひとつです。
他にも振れ取り台を所有していますが、これが一番私には使いやすいんです。
仮組した自転車ホイールのニップル(ネジ部)を先ずは、均等に裏側から仮締めしていきます。
ニップルの仮締め後は、ニップル回しと言う専用工具を使いスポーク1本1本の緩み具合を確認しながら締め付けていきます。
ある程度スポークが締まったら、後輪ハブにフリーホイール(多段ギヤ)をねじ込みます。
フリーホイール反対側には、ドラムブレーキ本体を組付けします。
再度、ホイール振れ取り台に仮組車輪をセットして、ホイールを組み上げていきます。
この時、車輪の横振れの修正と縦振れの修正、更にホイールセンター位置の調整とスポークの1本1本の張り具合等全てを同時にバランスをとりながらホイール組立作業を行っていきます。
ホイールバランス調整作業の途中では、一旦振れ取り台から組立途中の車輪を外し、
専用工具のホイールセンターゲージを使い左右のセンター位置を確認しながら作業を進めます。
ギヤ側とブレーキ側の両方のセンター位置がピッタリ合うように微調整しながら修正します。
専用工具のスポークテンションメーターを使いスポーク1本1本のテンションの数値を均等に合わせながら、最後の微調整作業を行いより完成度を高めて手組ホイール作業を完成させます。
先程説明しました通り、ハブ本体のロゴ文字が左側から読めるように組付け、
更に、見ずらいですが、スポーク穴(画像でハブセンター下に黒い穴が見えますのがリムのバルブ口金の穴です)が真下に来た時にハブの文字が読めるように合わせています。
お分かりになりますでしょうか。
そして、これも「暗黙のルール」で説明したように、バルブ口金とタイヤロゴの位置を揃えます。
もちろん、リムの「ARAYA」のロゴは自転車の右側から読めるように合わせています。
これで、コスナサイクルのこだわり手組ホイールが完成です。
最後は自転車に組付け全て修理完了です。
自転車ホイール手組作業にも、いくつかのこだわりを持って当店では作業しております。
ホイール組立作業はもちろん、見た目の美しさとバランスも大切に1本1本丁寧に仕上げることに努めています。
コスナは、あなたの街のサイクルドクターです。