クロスバイク、ロードバイクなどのスポーツバイク系のホイールと言えばメーカーで組立済の完組ホイールが今やほとんどです。
手組ホイールって何?と思われる方も中にはいらっしゃるんじゃないかなと思います。
手組ホイールは、リム・ハブ・スポークこれら全て別々の部品を1から手作業で組立ホイールバランス調整を行い完成させるのが手組ホイールです。
特にスポーツバイク系の手組ホイールの場合、スポーク長と言われる長さが使用されるリムと組み合わせるハブ本体によりmm単位で変わってきます。
その適正スポーク長を左右それぞれ1㎜単位で算出しなければなりません。
リムの各サイズ計測後の数値算出、ハブ本体各サイズ計測と数値割り出し、使用するスポークのニップルネジの数値計測など。
その数値を元に、スポーク長を計算してはじめて適正スポーク長が算出されます。
しかし、
この作業がとても重要で手間暇がかかるため、ショップさんによっては手組ホイール作業を嫌がるところもあるようです。
算出された適正スポーク長のスポークを使用して、ハブ本体のスポーク穴にスポークを1本1本通して行きます。
ただ穴にスポークを通すのではなく、スポーク交差の仕方、ハブ本体の「SHIMANO」ロゴ位置などを考慮して行います。
今回は、お得意様よりロードバイクのハブダイナモ仕様でのご依頼です。
ロードバイク・クロスバイクなどスポークバイク系には、完組でのハブダイナモホイールは現在ありませんので、手組ホイールとなります。
そこで、
シマノ「HILMO(ヒルモ)」ライトシステムのラインナップからDH-C2100-N-QRクイックレリースハブ対応のハブダイナモを採用しました。
リム穴数が32Hなので、スポークは6本交差で仮組していきます。
先代から愛用のプロ仕様ホイール振れ取り台に仮組したホイールをセット。
この作業に使用するスポークテンションメーターとホイールセンターゲージを準備してホイールバランス調整作業のスタートです。
スポーク本体のネジ山が隠れるぐらいまでニップルを均等にマイナスドライバー工具を使い締めていきます。
ニップル回し工具を使いスポーク1本1本を締めながら、リム左右の振れ取り及び縦振れを修正しながらホイールテンションを上げていきます。
ホイールセンターゲージ工具を使用してセンター位置を左右確認しながら作業を進めて行きます。
スポーク1本1本手でなじみを出す作業を行います。
スポーク1本1本をスポークテンションメーターにて数値を確認しながら数値を均一にしていきます。
ホイールバランスの微調整を繰り返しながら、細かく左右・縦振れを取りながら納得いく段階まで仕上げていきます。
店長のわたしのこだわりとして、より美しく手組ホイールを見せるために、ハブ本体の「SHIMANO」ロゴがリムのバルブ穴の真上にくるようします。
更に、「SHIMANO」ロゴが進行方向に向いて左側から読める位置に合うようにスポーク交差位置を調整しています。
画像少し見ずらくてすみませんが、リムのバルブ穴が下側に見えるのわかりますでしょうか。
スポーツバイク用シマノ「HILMO(ヒルモ)」ハブダイナモを使用した手組ホイールの完成です。
I様ありがとうございました。
通勤仕様等での夜間走行でスポーツバイクをご愛用の方に、電池式のLEDライトやUSB充電式のLEDバッテリーライトなどありますが、ハブダイナモによる常時点灯ライトの手組ホイールも選択に加えてみてはいかかでしょうか。