小田原の自転車専門店

自転車のメンテにグリスを使用していない方はぜひ一度グリス導入を

自転車 グリス

こんばんは、コスナブログ編集部です。

自転車のメンテナンスツールというのは、種類も数も豊富にあります。

メーカーによる微妙なちがいもあるので、なかにはどれを購入すればいいのか分からないという人もいますよね。

コスナブログでもメンテナンスツールやケミカル商品の紹介などをしてきましたが、当店に修理で持ち込まれる自転車のうちセルフメンテナンスで使用されることがすくないのがグリスです。

チェーンルブやシリコンスプレー、パーツクリーナーなどのケミカル用品を使用している人は多いのですが、グリスというのはあまりなじみがないようです。

自転車の組立の際には欠かすことのできないものですが、実は日々のメンテナンスでも使用したほうが、自転車のセルフメンテナンスはしやすくなります。

グリスの効果

自転車に使用するグリスに期待できるのは、固着の防止、トルクの安定化、水の混入防止です。

使用する場所はネジ、ナット、シートポスト、ハンドルポスト、ホイールの固定ナット(クイックレリーズは除く)など、フレームに関する場所が多いです。

いずれもメンテナンスや交換の際には取り付けや取り外しを頻繁におこなう箇所です。

何度も取り付けや取り外しをおこなうと、人の手の脂や汚れなどが付着するようで、場合によっては固着してネジやナットが取り外しできないということがあります。

実際、なんども外すことのできないパーツがあるとの相談を受けてきました。

また、摩擦による金属同士のこすれあいなどでパーツや取り付け部に細かな傷が付く、もしくはナットなどが削れてしまうこともあります。

これらは、グリスを使用することで発生を軽減することができます。

自転車 グリス メンテナンス

使い方は簡単です。ナットの取り付けを行う際に画像程度のグリスを付着させ、

自転車 グリス メンテナンス

その上からナットをいつも通りのトルクで締め付けるだけです。

ナットを締め付ける際に溝部分全体にグリスを馴染ませるため、できるだけ端にグリスを付けてナットの締め込みを行いましょう。

たったこれだけのことですが、この作業を挟むかどうかで次回ナットを取り外したり再取り付けを行う際にひっかかりなどがなくなり作業が楽になり、また、ナット自体の寿命を延ばすことができます。

金属のパーツ同士を強い力で締め付けるために、なんども締め付け、取り外しを行うとどちらか片方が少しずつ削れてうまく入らなくなることもあります。

しかし、グリスが入ることで潤滑をよくし、錆びの発生を防ぐことで金属パーツの寿命を上げています。

勘違いしてはいけないのは耐久性が上がる訳ではありません。あくまで延命程度の効果ということも覚えておいてください。

また、ナット以外では、

自転車 グリス

ハンドルポストの内側、

自転車 グリス

シートポストの内側、

自転車 グリス

ステムの内部、

自転車 グリス

シートピン、

自転車 グリス

ペダルのクランクへの接続部などにも使用します。

当店では、修理時にはかならずグリスを使用します。

お客さまの自転車のために、という意味合いももちろんありますが、大きな目的としては次回のリペア時に問題なく取り外せるように、です。

このグリスの使用、実は一般自転車等の組立マニュアルなどにはあまり詳しく掲載されていません。

自転車店やメーカーでの業務経験のあるメンテナンススタッフのみが知る知識と言ってもいいかもしれません。

そのために、自転車の組み立て時にグリスを使用しないショップも多数存在します。

修理するときには各パーツが外れにくかったり、そもそもグリスが入っていないことで動きが悪くエラーが発生していたりするので、使用しているかしていないかはすぐに分かります。

実際、修理持ち込みのある車両の、特に廉価なモデルの数多くの箇所にグリス塗布がされていません。

そのくらい違いのでる工程なのです。

当店で使用しているのはWAKO’S(ワコーズ)のタフグリス。

特に塩水などにも強いケミカル製品です。

コスナサイクルは海にほどちかい場所にあるので、塩水耐性がある程度必要です。

使用するグリスはなんでもいい、という訳ではありません。タフグリスではオーバースペックであるということも考えられますので、主に汎用性のあるマルチグリスが主流になると思いますが、使用する環境などによってもちがいます。

技術力のある専門店であれば必ず使用していますので、お近くのショップにて、まずは相談してから購入してください。

また、ロードバイクなどより本格的なスポーツバイク系については更に専門知識が必要になり、使用される部品の組付けによっては逆にグリス塗布をしないように組付けマニュアルに記載されていますので注意が必要になります。