小田原の自転車専門店

いいクロスバイクがそなえている条件をコスナ店長に聞いてみる

クロスバイク 買い方

こんにちは、コスナブログ編集部です。

ここ最近、自転車の通勤使用率が高まっているそうです。

人が密集する公共交通機関を利用せず、接触する人数を最低限にすることができ、駐車環境がミニマムで済む自転車という乗り物。

たしかに現在の社会状況に合った移動手段ですね。

当店にもお客さまからの相談件数が増えています。

特に、スピードが出て取り回しの比較的楽なクロスバイクの人気が高いようです。

さまざまな自転車の相談をいただきながら思うことは、みなさんにとって“いいクロスバイク”とはどのようなものなのか。

WEBで検索しても、雑誌を見ても、それぞれがちがう特徴を取り上げていて分かりにくいことが多いのです。

そこで、コスナサイクルの考える“いいクロスバイク”の条件をコスナ店長に聞いてみました。

意外なことに、大切なのは“アルミフレーム”でもどんな“メーカー”製なのかでもありませんでした。

コスナサイクルの考えるいいクロスバイクの条件

ここからはコスナがお送りします。今回は“いいクロスバイク”の条件ですね。

おそらく、ヘビーユーザーにとってはその人自身に必要な条件が見えていることでしょうから、ある程度の知識を持つ方向けの内容は、本記事では省きますね。

そうすると、ここでは現在の通勤需要で、初めて、もしくは久しぶりにクロスバイクを購入する人、つまりライトユーザー向けの条件ということになるでしょうか。

この場合の“いいクロスバイク”の条件についてはハッキリと名言することができます。

あくまでコスナサイクル独自の考えではあるのですがいいクロスバイクの条件とは、

 

“いいお店から購入できること”

 

です。

フレームの素材や形状、コンポーネントの細かな違いなどをよく研究してから購入される人もいますが、これは2台目以降の懸案事項です。

初めての自転車購入であれば、走行することで上記のようなスペックの違いでの走行感や便利さが分かるかと言われれば、ほとんどの場合分からないでしょう。なぜなら比較の元となる経験がないからです。

ヘビーユーザーの方ならよくお分かりだと思いますが、この経験、数週間程度で身につくものではありません。晴れの日、雨の日、傾斜のキツイ走りにくい道路、さまざまな状況で走行を繰り返して初めて経験値として溜まっていきますよね。

そんな経験のないライトユーザーに、フレームうんぬんを説明して自転車をお渡ししてもオーバースペックです。クロスバイクという製品は金額の振り幅が大きいため、むしろ、ちょっと高価なクロスバイクに誘導してしまうような…。

そんな気すらしてしまいます。

確かに専門的な用語や物品の説明などはメカニカルなものでワクワクします。

しかし、ライトユーザーの方に本当に大切なのは、カタログスペックよりも相談や持ち込みをしやすい店舗、つまり“いいお店”で購入することです。

自転車のメンテナンスは初心者であればショップに何度も持ち込むことになります

当店への新車購入のご相談でもたまにありますが、現在はWEBや雑誌などでかなり多くの情報を手に入れることができるために、事前情報を多くご存知の上でご来店いただくことがあります。

これは自転車にかかわらず、世の中の小売業全般で同じような状況でしょう。

中には、自転車を1台も持っていない人から「ディスクブレーキのクリーニングはどのようにすればいいですか」なんて聞かれることもあります。

ちょっと気が早いですねw 、まずは乗り慣れてからで大丈夫ですよ。

しかし、これは悪いことではありません。

自転車の購入は決して安い買い物ではありません。過不足のない1台を購入するために多くの情報を仕入れてから検討することも大切です。

しかし“知っていること”と“できること”のちがいはご理解いただく必要があります。

ディスクブレーキのクリーニング方法を知っているからすぐに実践すればいい、ということはありえません。

なぜなら、クリーニングが必要になる場合はなにがしかのエラーが発生しており、それを解消する必要があるときだからです。

ほんとうにディスクブレーキのクリーニングでその症状が改善するのか、そもそもちがう部分のエラーなのか、複合的なことが要因であるかの診断をしなければいけません。

これには総合的なメンテナンスの知識が必要になります。

そのため、WEBや動画でクリーニングの方法は知ったけれど、そもそも一度も自転車のメンテナンスを実践したことがない、という方には最初から自己流のセルフメンテナンスをすることをオススメできません。

ぜひ、ショップで簡単なセルフメンテナンスを教わって、段階的にトライしてみてください。

スポーツバイクというのはある程度手間のかかる乗り物ですので、車体にエラーが発生しておらず修理する状態ではなくても定期的な各種の調整を必要とします。

そういう意味でも、セルフである程度行えるようになるのは便利ですね。その際もショップでメンテグッズなどを購入する必要も出てくるときもありますが…。

そうして、実際にセルフメンテナンスを実施する、しないに関わらず、ライトユーザーの多くは自転車店に通う機会がなにかとあります。

この“通う”というときにあなたにとっての“いいお店”の必要性が現れます。

気軽に相談できる、いくつかの提案をしてくれる

ここまでお話ししてきたように、購入するときよりも、購入した後のほうが自転車屋さんを訪れる機会が多いのは、スポーツバイクならではの特徴です。

購入するときは1回だけの来店でも、修理・調整にはその後何度も通うことになります。

自転車は屋外の、それも道路状況が悪い状態を走ることも多い乗り物です。しかも、雨風にさらされ、人によっては車における車検のような定期点検もなく使用されます。

あまりに放置されていて、当店に持ち込んでいただいたときには既に修理不可能という状態の自転車も少なくありません。

販売店の方としっかりコミュニケーションがとれていればそもそも負担の少ない保管方法や乗り方についてもお話ししてもらえるはずです。

まして、一定期間で持ち込み点検をしていれば大きな修理が発生する前にパーツ交換や調整などを受けることもできます(それでも費用の大きな交換修理が発生する場合もありますが)。

気の利いたショップであれば、先述のセルフメンテナンスの初級編をおしえてくれることもあります。

そして、自転車のメンテナンスやパーツ交換などには、実はいくつものアプローチ方法があるということも忘れてはいけません。

自転車のパーツにはほぼすべてに互換性の問題がある組み合わせが採用されている

たとえば、ブレーキレバーの交換をするとしましょう。

ブレーキレバーならなんでもいいので交換しよう、ということはできません。

まずは今使用されているレバーとブレーキユニットとの互換性を調べます。つぎに、ブレーキシューやブレーキワイヤーも交換するべきかを確認します。

そしてあまりに古い車種であった場合、いまここでブレーキレバーを交換して、メーカーがその後何年ほど互換性のある交換パーツを保有しているかを考えます。

なにせ「ブレーキレバーを交換しましたが、半年後に互換性のあるパーツの製造がすべて終了しました」では、交換する意味がなくなってしまいます。

おまけに、自転車メーカーとブレーキレバーやユニットを作っている会社はちがうことがほとんどです(昔はほぼシマノ製でしたが、近年は数メーカーの選択肢があります)。

場合によっては、今かかる修理費用は多くともブレーキユニットごと交換してしまったほうが、数年後のメンテナンス費用まで総合的に考えた場合に数万円近く安くなることもあります。

また、ブレーキシューにも互換性の問題があります。

さらに、この互換性についてはメーカーごとに対応が変わり、WEBやメーカーの取り扱い業者専用のサイトでも判明しない古いタイプも。

ときにはメーカーに問い合わせをして返答を待ち、さらにやりとりを繰り返す、という工程を経ることもあるのです。

自分でも話していてイヤになってきますが、一見、単純な構造に見える自転車という乗り物は先述の通り、いくつものパーツが相互に作用して動作するからこそ、実は少し面倒な乗り物でもあるのです。

自転車のメンテナンス、調整では、これらのことをすべてとまでいかなくても、多くを網羅した状態でお客さまに提案しなければいけません。

読んでいただくと分かる通り、これを自転車に関する知識のない方に、なるべく早く、分かりやすく、実際の金額などを含めながらお話しするには各部材の概ねの金額を調べながら、もしくは事前におおまかに把握しておき、互換機能などを理解した上でお話ししなければいけません。

これができるようになるには、時間と手間が非常に多くかかります。

店長である私自身も5年や10年で網羅できるようになった訳ではありません。

ある程度メンテナンス作業に慣れた人であっても、この知識を習得するのにはかなり時間がかかります。しかも、毎年モデルや互換パーツのカタログが更新されていきます。

ここまで把握するのが難しく時間がかかるため、やりやすい方法(お客さまへの提案を売りたいメーカーの情報だけに絞ってしまう)、知っている方法で済ませようとしてしまうこともあるようです。なかには、互換性のないものを取り付けてしまうことも(実際かなりの件数で存在し、お持ち込みいただいた際に他箇所にエラーが発生していることもあります)。

そうではなく「このメンテナンスであればこう」「あの交換であればこう」と、お客さまにしっかり説明をしてくれるお店を選ばなくては、少し面倒なことになってしまいます。

だからこそ、いいクロスバイクの持つ条件は“いいお店から購入できる”ことです。

ここまで解説してきたことを、ライトユーザーは(ある程度知識を持った人であっても)判断したり対処したりすることはできないでしょう。

整備をしっかりと行い、知識を持って対応でき、かつ、あなた自身が気軽に相談をしたり、向こうから改善点を提案をしてくれる人のほうが、格段に快適に、そして無駄な費用を発生させることなく自転車を利用できます。

ここまでは“いいお店”のソフト面についてのお話をしてきました。続いて“いいお店”のハード面について、具体的に考えてみましょう。

“いいお店”の持つ要素

修理時に持って行ける距離に気をつけよう

最初に断っておきますが「コスナサイクルが最高です。以上!」という結論ではありません笑。ご安心を。

いいお店の大前提として、修理の際に自転車を持って行けるお店かどうかを考えましょう。

たとえば、パンクをしてしまった、ホイールがなぜか動かない、ブレーキが効かない、そのような状態の自転車には乗れませんよね。

そのため、修理をする際は手で押して自転車をショップまで持って行くことになります。

このような事態になったときに持ち込みできるかどうか、を確認しましょう。

特にホイール関連のエラーでタイヤがまったく動かないとなると車体を持ち上げて運ぶことなども想定されます。

車などで運ぶことができるか、もしもできないのであれば持ち込み可能なエリア内かどうかで、お店の探し方は大きく変わります。

基本的な部分ですが、意外と盲点なのか出張修理のお問い合わせがよくあります。

大変残念ながら、店長の私1人で修理を行っているためお店を空けられず、出張に伺うことができません。

同じように、出張修理に対応していないお店も多くあるので、確認が必要です。

コスナサイクルで購入していただくのは確かにうれしいですが、関西にお住まいの方に「ぜひコスナサイクルで!」とは、オススメすることはできません。

取り扱いメーカーの違いを気をつけよう

自転車の購入店舗への修理や調整の持ち込みであれば特に気にすることのない部分ですが、購入店舗ではないお店に修理やメンテナンスで持ち込む場合、取り扱いメーカーがちがうために部品が手に入らないということもあります。

とくに、EUや北欧などの珍しいメーカーの製品である場合、遠方や通販で購入したけれど居住地の近隣にパーツの取り扱い店舗がないということは結構あります。

調整や一般的な修理では問題ありませんが、交換が必要となるとそもそもパーツが取り寄せられないなど対応できないものが出てくるので注意してください。

なるべく、購入店舗とメンテナンスの持ち込み店舗は合わせたほうがいいですね。

自転車の配送修理などはそもそも請け負ってくれる配送屋さんが少なく、配送時の傷の発生などは防ぐことはできません(配送屋さんからも傷の発生については再三確認されるでしょう)。

遠方で購入するほど大切な自転車の場合は、こういった傷はあまり付けたくないですよね。

また、配送時の振動はネジやパーツの締め付け、各種部材の調整を緩めてしまうことなどもあるため、荷着時に再調整が必要となります。

配送した後にプロのチェックを受けずに走行することはあまりオススメすることができません。

これもまた、今すぐにエラーが発生するものでないことが多々あります。

よくあるのは締め付けが振動で緩んで、走行を繰り返すうちに曲がりや傾きが生じてしまうこと。

おおむね1年ほど後にエラーが発生しますが、対応策は交換しかない場合がほとんどです。

試し乗りしているか

コスナサイクルの販売自転車もそうですが、できれば試し乗りしているお店から購入したほうがエラーが少ないでしょう。

ここで言う試し乗りはお客さま自身が試し乗りしている、ということではありません。お店の自転車の組み立て実施者が行っているか、です。

自転車の組み立てでは、一見どれだけ完璧に仕上げたと思っていてもパーツや車体には微妙な個体差があり、いつもと同じパーツを、同じトルク、同じトーインなどで構成しても音鳴りや調整不良が発生する場合があります。

これは大量生産の工業製品であるために避けられない事態です(ワンオフの超高級自転車の場合は当てはまらないことが多いです)。

必ず、ではないですが、この少ない発生事象に巻き込まれると厄介です。

なぜなら、ここでもまた、今その場では影響がない場合があるからです。

乗り慣れている人であれば少しの異常にも気づきますが、ライトユーザーでは「こんなものか」と判断しがちです。

これが後に大きな修理につながる前兆であったりするため、多少タイヤは汚れてしまいますがお店の方が試し乗りして状態確認をしているものが安全です。

お店の方に試し乗りしているか聞いてみてもいいですね。

しかし、実際にお客さん自身が「試し乗りできるか」に関しては難しいところです。

なぜならクロスバイクやロードバイクといったスポーツ車は慣れていない人では転んでしまったり、フレームをまたぐ際に靴のソールで取れにくい汚れを付けてしまったり、展示車に影響を与えてしまうことがあるからです。

そうすると、商品としての価値が下がってしまったり、場合によってはお客さまに買い取りをお願いしなければいけなくなるなどの危険も発生します。

そのためお店側がお客さまに迷惑をかけないためにも試乗禁止としていることがあります。

お店側の補助ありでサドルにまたがって、フレームの最低地上高に合っているかの確認をするなど、実際の乗り心地を少しだけでも感じられればよしとしましょう。

単純構造だからこそ整備の腕が問われる

クロスバイクは、極端な話をすれば単純構造です。

車やバイク、電動アシスト自転車に至るまで、パーツ数はより多く、電力を使用するモーター内部の機構などは複雑さを増していきます。

一方、クロスバイクは人力で、かつある程度の耐久性を求められていますから、そこまで多くのパーツはありません。

しかし、だからこそ、最初の自転車の組み立てや整備によっていくらでもクオリティに差が出てしまいます。

また、あまり聞いたことがないかもしれませんが、メーカー側の初期不良ということは、実はよくあります。

コスナサイクルでは最初の組み立て時に検品を行い、返品するということも珍しくありません。

なぜなら、ここまで解説したように、この不良が数年後に大きなトラブルに直結することがあるからです。

ハブ内部のベアリングにわずかな異音がある、ペダルを回した際に微妙に引っかかる感覚がある、こういった検査は同じモデルを何台も組み立てていなければ、微妙な違いに気づくことはできません。

しかし、大変残念なことにこういった工程を経ずに、大量に組み立て作業をおこなっているお店があるのも事実です。

気持ちは分からなくもないです。なにせ大変な作業です。返品が続けばメーカー側からもあまりいい顔をされません。

しかし、製品として世に出す以上、まして、自分のお店の店頭にならべる以上、こういった製品を取り扱わない、お客さまに販売しない、という、当たり前の姿勢をもった自転車店も多くあるのです。

みなさんには、ぜひカタログスペックばかりではなく、こういった“人”の部分にもこだわった自転車を購入することをオススメいたします。

そのためには、何店か回ってみるといいでしょう。きっと、あなたに合った、お店、そして“人”に出会えるはずです。

それこそが“もっとも安く”、“もっとも快適に”、“もっともいい自転車に出合う”ための最短距離となるでしょう。

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