ときおりご相談を受けるのが「数年だけ乗るための自転車が欲しい」という内容です。
職場の転勤で、期間限定のお仕事や習い事で、さまざまな事情で、しっかり乗れなくていいのでとりあえずの“足”が欲しいというご要望ですね。
しかし、重要なのは“数年”の部分です。
おそらく短い期間しか乗らず、その後は廃棄してしまうため費用的にも安く済ましたいとのことだと思いますが、ほとんどのお客さまが想定しているのが“初期費用”のみなのです。
コスナブログでも何度か解説していますが、自転車は買うときよりも買った後のほうが自転車屋さんに来る機会が多いというのを覚えていただいたほうがいいでしょう。
自転車のフレームはスチールやアルミ、クロモリという合金など、丈夫で強い材質が使用されています。
このフレームの交換の必要が出てくるのは、7〜8年程度使用した後か、事故にあったときなどです。
しかし、自転車を構成するパーツのうち、もっと短い期間で1〜2年程度で交換する必要が発生する消耗品もあります。
たとえば、有名なところではタイヤ、チェーン、リムテープ、ブレーキワイヤー、アウターケーブルブレーキシュー、変速ワイヤーなど。
ほかにもサドルやハンドルグリップ、チェーン、変速機、実はホイールなども永遠には使用できず、長年使用しているならば交換や調整が必要となります。
前者についてはクオリティの低いものであれば、場合によっては1年程度で交換となります。
後者も駐輪環境が雨ざらしであったり、サビがひどく乗り方が荒い場合は2年程度で交換となってしまうことがあるのです。
そうなると、もしも3年だけ乗りたいからといって安く購入した自転車が1〜2年で修理や交換が発生した場合はどうなるでしょうか。
初期の購入費用と修理の費用を合算して、もう一段階上のグレードの自転車を購入したほうがよかった、ということもあるのです。
実際、そういった状態のお客さまもときおり来店されます。
一般的には、ママチャリとよばれるシティサイクルであれば、よく乗られる方で3年程度で消耗品を交換することが多くなります(あくまで一般的な期間です。性能や乗り心地を無視すればこれ以上使用できる場合もあります)。
以上のことから、数年だけ乗りたい場合でも、10年乗りたい場合でも、実は初期投資額はそこまで変えないほうがいいでしょう。
むしろ、「乗り捨てるのだから、数年だけ乗る期間に修理や調整を発生させたりしたくない」という人ほど、ある程度の金額以上の車両をオススメいたします。
この「ある程度の」という部分の判断はお客さま自身には難しいと思います。
カタログスペックからおおよその耐久年度を把握するのは難しいでしょう。そのため、まずはお近くの自転車屋さんにご相談されることをオススメします。
その際に、激安自転車でないものをオススメさせていただくかと思いますが、上記のような理由が主なセレクトの条件となっています。
こちらのコスナブログ記事も参照してください。