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【自転車ヘルメットの寿命は3年?】安全基準と買い替え時期を徹底解説!

マグネットバックル採用の自転車ヘルメットOGK CANVAS-URBAN MG

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命を守る第一歩:正しいヘルメットの選び方と知識をあなたに

こんにちは、コスナサイクルです。
いつも当店の「コスナブログ記事」をご覧いただき、誠にありがとうございます。

自転車に乗るすべての人にとって、ヘルメットは命を守る最も重要な装備の一つです。ところが、「ヘルメットには寿命がある」ことを知らない人は意外と多いのではないでしょうか? 本記事では、「自転車ヘルメットの寿命は本当に3年なのか?」という疑問を入り口に、安全基準や買い替え時期、正しい選び方についてわかりやすく解説していきます。

1. ヘルメットが果たす役割と必要性

自転車走行中の事故で最も致命的なダメージを負いやすい部位は「頭部」です。警察庁の統計でも、自転車事故における死亡事故の多くが頭部損傷に起因しており、ヘルメットを着用していれば助かった可能性が高いケースも少なくありません。

また、2023年4月からは、自転車に乗るすべての人の「ヘルメットの着用努力義務化がされ、社会全体として着用率向上が求められています。

罰則規定はなく、強制ではありませんが、努力義務(当事者の努力を促し、極力そうするべきだ、と決められた規定)とされています。

ヘルメットが持つ3つの重要な役割

  • 衝撃吸収:転倒・衝突時のダメージを軽減し、頭蓋骨や脳を保護
  • 事故時の目印:明るい色のヘルメットや反射材付きは視認性向上にも効果
  • 家族や自分を守る意識づけ:着用そのものが「安全運転」への意識を高める

命を守る最もシンプルで確実な方法が「ヘルメットの着用」。これからの時代、着けない理由はありません。

2. 自転車ヘルメットの寿命はどのくらい?

あまり説明されていませんが、一般的に、自転車用ヘルメットの寿命(使用期限)は3年とされています。

製品安全協会とJHMA(日本ヘルメット工業会)の定めるヘルメットの使用期限は使用開始からが3年となっています。

これは外観に問題がなくても、内部の発泡素材(EPS)が劣化するためです。直射日光や汗、湿気などが原因となって、見た目では判断できないほど安全性能が落ちていきます。

そのため、経年劣化で衝撃吸収能力が損なわれると、使用期限を過ぎたヘルメットで事故にあった際などにそこまで優位な機能を発揮できないためです。

寿命に関わる主な要因

  • 紫外線による素材の劣化
  • 汗や皮脂による内部汚染
  • 衝撃や落下による構造破損
  • 保管環境の悪さ(高温多湿)

「まだ使えそうだから」と過信せず、購入後3年を目安に買い替えを検討するのがベストです。

一度衝撃を受けたヘルメットは外観上問題なくとも使用不可

「強い衝撃を受けたが変形などはない」、「衝撃を受け一部にへこみや変形が出た」というヘルメット2種類がある場合、前者は使用できそうな気がしますが、実は前者、後者共に等しく使用不可です。

強い衝撃を受けた時点で衝撃吸収能力を最大限発揮してしまい、次の衝撃を吸収できなくなっています。

表面上問題なさそうに見えても、次の衝撃で破損してしまったりします。

一度転倒で大きくぶつけたりした際は安全のために買い換えをしてください。

2. 安全基準って何?どんなマークを確認すれば良い?

安全な自転車用ヘルメットを選ぶためには、第三者機関による認証マークの確認が重要です。以下のようなマークがついているか確認しましょう。

主な自転車ヘルメット安全認証マーク

  • SGマーク(日本):製品安全協会が定める基準をクリアしたもの。
  • JCF(日本自転車競技連盟)認定:公認(白)と推奨(緑)2つのマークがあり、スポーツ競技用は公認のみ
  • CEマーク(EU):欧州の安全基準。
  • CPSC(アメリカ):米国消費者製品安全委員会の基準。

通常街中で使用する場合はSGマーク、JCF推奨のいずれかが付与されたヘルメットが価格的にも機能的にもオススメです。

もしもレースに出る場合はレース基準により、SG基準とJCF推奨が許可されておらず、JCF公認マークが入ったものしか使用できない場合があります。

こちらのコスナブログ記事では、自転車安全基準マークについて詳しく解説していますので参照してください。
あなたの自転車ヘルメット安全基準マーク貼付されていますか

3. ヘルメットの装着方法と日々のチェックポイント

いくら良いヘルメットを購入しても、装着の仕方が間違っていれば十分な効果は発揮されません。正しく装着し、日々の点検を行うことが、安全性を最大限に引き出すために不可欠です。

ヘルメットの正しい装着のポイント

  • ヘルメットは額の真ん中あたりまでしっかりかぶる(おでこが出すぎないように)
  • あごひもは指1~2本入る程度のゆとりでしっかり締める
  • ヘルメットが前後左右に動かないか確認

ヘルメットの正しいかぶり方3ステップ

1.まっすぐかぶる

  1. おでこを隠すように眉毛の上(指1本ぐらい)まで深くかぶります
  2. 横から見た時にヘルメットが水平になるようにします
  3. 後部にアジャスター機構がある場合は、頭に合わせてダイヤルで調整する

2.あごひもアジャスターの調整

  1. あごひもアジャスターが耳の下にくるように長さを調整する
  2. あごひもが耳の下でV字を描くようにアジャスターで高さ調整する

3.あごひもの長さ調整

  1. あごひもの長さを適切に調整します。
  2. 口を大きく開いた時につっぱらないぐらいが適正な長さ、または(指1~2本入る程度のゆとり)

日々のチェックポイント

  • 外装にヒビや変形がないか
  • 内部クッション材にへたりがないか
  • あごひもにほつれや緩みがないか
  • 調整ダイヤルやバックルの動作に問題がないか

装着の確認を習慣にし、異常があればすぐに対処することで、普段の自転車乗車中も安心することができます。

4. ヘルメットを買い替えるべきタイミングとは?

以下のような状況に該当する場合は、たとえ使用年数が短くても、すぐに買い替えを検討すべきです。

買い替えのチェックポイント

  • ヘルメットを落とした・ぶつけた(衝撃があった)
  • 内部のクッション材が硬くなってきた
  • 外装にヒビや変形が見られる
  • あごひもや留め具が緩くなった
  • 製造から3年以上が経過している

衝撃を受けたヘルメットは、内部に見えないダメージを受けている可能性があります。事故時に頭部を守るためにも、迷ったら「買い替え」が鉄則です。

5. ヘルメットの正しい選び方

安全基準を満たしていても、サイズやフィット感が合わなければその効果は半減します。以下のポイントに注意しましょう。

選び方のポイント

  • サイズ:頭囲に合わせたサイズ選び(調整ダイヤル付きがおすすめ)
  • フィット感:前後・左右にずれないか確認
  • 重量:軽量なモデルほど疲れにくく快適
  • 通気性:蒸れにくさも長時間使用には重要
  • 用途に合わせる:通勤・通学用、街乗り用、レースなど

デザインやカラーも選ぶ楽しみの一つですが、まずは「安全性+フィット感」が最優先です。

6. よくある質問(FAQ)

Q1. 落としただけでもヘルメットはダメになりますか?

A. 高さや落下の状況にもよりますが、内部にヒビが入っている可能性があるため、念のため交換を推奨します。

Q2. 安いヘルメットでも安全ですか?

A. 安全基準マークがついていれば価格に関係なく安全ですが、フィット感や通気性などは価格によって差が出ることがあります。

Q3. 使用していなくても経年劣化しますか?

A. はい。未使用でも保管環境の影響を受けて劣化します。購入時からの経年を意識しましょう。

Q4. 子ども用のヘルメットはいつ買い替えるべき?

A. 頭のサイズが変わったとき、または3年以上使用している場合、あるいは落下など衝撃を受けた場合には買い替えをおすすめします。

コスナブログ記事の「ヘルメット関連」の記事紹介

コスナサイクルのコスナブログ記事の中で「ヘルメット関連」の記事も数多くありますが、今回はその中からおすすめ記事をいくつか紹介いたしますのでご参照ください。

「ヘルメット着用義務化」でカジュアルスタイルにおすすめなヘルメット

キッズモデルながら頭の小さな大人も被れるヘルメットOGK「TESTA(テスタ)」

女性におすすめ帽子型ヘルメットOGK「SICURE(シクレ)」

自転車ヘルメットにテールライトCATEYE「WEARABLE mini」取付てみた

自転車ヘルメット盗難防止用ロックに「SOKU LOCK(ソクロック)」おすすめ

まとめ

自転車ヘルメットは、事故時に命を守る「命綱」とも言える存在です。一見して劣化がわからなくても、時間の経過とともに内部素材は確実に性能を低下させます。毎日のライドに安心をもたらすためには、定期的な状態チェックと3年を目安とした買い替え、安全基準に合致した製品選び、そして自分に合ったフィット感を重視することが必要です。

自転車に乗るすべての方が、安全と安心を持って日々を過ごせるよう、正しい知識と行動を今一度見直してみましょう。

今後も、皆様のサイクルライフをサポートするための情報を、これまでに公開した約600記事以上とともにコスナサイクル公式サイトにて随時発信してまいります。

投稿者プロフィール

小砂恵三
小砂恵三コスナサイクル店長
宮田工業(現在:ミヤタサイクル)での研修を得て、インショップ形式の自転車店の店長に就任。その後家業を継ぎ自転車のメンテナンス、販売に従事して35年以上。
自転車専門資格として「自転車安全整備士」「自転車技士」「スポーツBAA PLUS」「自転車組立整備士」などを保有。
現在はコーダブルームやパナソニックといったスポーツ自転車から電動アシスト自転車までを幅広くカバーするサイクルショップ、コスナサイクルを運営。